ザーノウィッツ:予想の誤差はピーク近傍で大きくなる

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あいかわらず人々の景気後退入り予想への興味が尽きないようだ。
Reutersが、景気循環の権威だったVictor Zarnowitzによる1992年の一節を紹介している。


「主たる問題は・・・年月がどれだけ経ったかではなく、変化し続ける経済において何が起こっているかだ。
現実と心理において、どういう出来事と過程、概念と行動が起こったかだ。
これが導く単純な結論とは: 景気サイクルにおける現在の局面や継続期間を知ることは助けにはなるが、それだけを用いてはいけない。」

Reutersがザーノウィッツの著書の一節を引いている。
Victor Zarnowitz, “Business Cycles: Theory, History, Indicators, and Forecasting”
米景気拡大と株価上昇が記録的な長さ継続しているため、先人の知恵に立ち返ったのであろう。
ザーノウィッツのメッセージは明確だ。
景気局面の変化を長さだけで予想すべきではない。
経済で何が起こっているか、その動態に目を向けるべきというものだ。

さらに、ザーノウィッツは予想の誤差についても言及している。


景気拡大・縮小の期間の変動性は大きいため、循環の転換点のタイミングを予測するのは難しい。
・・・
予想の大きな誤差は、景気サイクル・成長サイクルの転換点、とりわけピークの近傍で発生する。

つまり、転換点を予想するのは至難の業だし、誤差も大きくなるということだ。
同じことが市場についても言える。
ピークの手前では強気相場の中でもかなり急激な上昇を見せることが多い。
そしてピークを打つと暴落するのである。
ピークほどではないが、ボトムでも予想が難しいのは、底値で拾おうとした投資家が痛感するところではないか。

多くの投資家が市場のピークが近づいていると感じている。
それでも市場から完全に手を引かないのは最後のひと上げが急激であり儲かることを知っているからだ。
ところが、ここで多くの投資家は撤退時期を誤ってしまう。

「多くの予想が、最近の出来事・展開の影響を過度に受けている。
部分的トレンドが持続すると仮定しており、景気後退・回復といった循環的な見地が不足している。」

最後のひと上げに賭けるのもいいが、撤退時期を誤れば、それより大きな暴落が待っているかもしれない。
すべてを失うのがいやならば、ギャンブルに制限を設けることだ。


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