ジェレミー・グランサム:ミルトン・フリードマンの狭量

大手投資会社GMOの共同創業者Jeremy Grantham氏が、米社会に絶望しそうだ。
資本主義や経済学が社会の失敗を助長し、それが国境を越えて世界に広まりつつあるという。


1万年前、いやわずか100年前でも、この問題は小さいか存在しなかった。
今日、これは危機に発展すべく加速している。

グランサム氏がGMO White Paperで危機感をあらわにした。
同氏が問題視するのは気候変動、人口増加、環境悪化、それにともなう食料問題だ。
投資家がこうした論点を中心に据えて議論するのはやや違和感がなくもない。
しかし、グランサム氏の場合、これまでも再生可能エネルギーなどの分野に注力した投資を行ってきている。
同氏にとっては、これら問題は最重要課題なのだ。

資本主義と主流経済学の欠陥

そして、投資家として、資本主義や経済学がこうした問題に対処できない欠陥を有していると指摘する。

「資本主義と主流経済学は単純にこれら問題を扱うことができない。
主流経済学は自然資本を無視している。」


日本にはかつて社会的共通資本の経済学を築いた宇沢弘文という経済学者がいた。
米国でも活躍し高く評価された学者だったが、その評価は主に社会的共通資本以外に向けられたものだった。
宇沢の経済学は、経済学において新たな分野を切り開くものであり、ノーベル経済学賞にふさわしいもののはずだったが、実現しなかった。
ノーベル経済学賞は《ノーベル経済学賞》と揶揄されるとおり、米学界のもちまわりの色彩が強い。
米社会・学会から好まれない経済学が受賞する話にはなりにくかったのだろう。

魂を売り渡すビジネス・パーソンたち

現実の米社会で起こっていることを、グランサム氏は農民と悪魔の喩えで説明している。
貧困にあえぐ農民に悪魔は100年間の契約を持ちかける。
「この契約書にサインして魂(Soul)をくれたら、あなたの利益を3倍にしよう。」
困窮する農民にはサイン以外の選択肢はなく、契約は成立した。
ところが、契約書にはとても小さな字で書かれた脚注があり、脚注21には毎年1%ずつ土地(Soil)を失うと規定されていた。
果たして、農民とその子孫は100年ですべてを失った。

グランサム氏によれば、農民の典型はMBAだという。
サインをすれば魂を失ったビジネス・パーソンとなれるが、結局は滅びの道を歩くことになる。
サインをしなければドロップ・アウトするしかない。

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