デニス・ガートマン:財政赤字と金利の相関

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極めて長期的で大きな趨勢が転換しつつあるのかもしれず、年寄りの昔話がありがたく感じられる時代になった。
金融市場に携わって40数年になるデニス・ガートマン氏が、金利や財政について語っている。


「FRBが過去の誤りから教訓を学ぶことを願いたい。
第2次大戦後の米国におけるすべての不況は、イールド・カーブ逆転後に起こっている。
オーバーナイトFF金利は2年金利より高くなり、2年金利は5年より高くなり、5年金利は10年より高くなった。」

ガートマン氏がイールド・カーブの長短逆転についてThe Income Generation Showで語っている。
今回の米イールド・カーブ・フラット化についてはいくつかの特殊要因がある。
確かに過去数回で見れば特殊要因の影響と見ることもできるが、半世紀以上のジンクスとなればそうとも言えなくなる。
長い歴史の中の多くの事例では、それぞれそれなりに特殊要因があるものだ。
ガートマン氏はイールド・カーブの形状の重要さを解説している。

「イールド・カーブが順イールドのままであってほしいと考える理由は、それが銀行システムにとっていいことだからだ。
米経済をさらに成長させるのに最良のことだ。」

中央銀行の金融緩和が促すべき信用創造を実際に担うのは市中銀行だ。
順イールドは市中銀行にとって信用創造のインセンティブになる。
逆に、フラット化や逆転となれば、そのインセンティブが減ってしまい、信用創造にブレーキがかかる。


ガートマン氏はFRBがそれほど軽率とも考えていない。
FRBは長短逆転を引き起こさないように利上げをさじ加減すると考えている。

「オーバーナイトFF金利はおそらく最終的には2.5-3.0%、もしかしたら3.5%まで行くかもしれない。
しかし、そうなるのは、10年金利が3.5、4.0、4.5%になる時だろう。」

ガートマン氏は米財政赤字拡大と金利の関係についても話している。

1960年代大学で教わったのは、財政赤字拡大が金利上昇を招くということ。
過去40年間に見てきたのは、財政赤字拡大とともに金利低下が起こったということ。

財政赤字が拡大すれば、財政インフレが起こり金利が上昇するというロジックは誤りではあるまい。
定性的な因果関係としては、今の大学で教えられていてもおかしくない。
ガートマン氏もこのロジックに基づき、今後数年の比較的速足の金利上昇を予想している。
この背景には、米財政の健全化の見通しが立たないことがある。

「これまでの米国の問題は、私も推進者だった減税をいつ行うかだった。
米国は正しいこと(減税)とともに行うべき歳出削減を行わなかった。
いつか(行き詰る)時が来る。」

その一方で、ガートマン氏は、財政赤字と金利の間の相関が崩れている可能性も認めている。
そこで民間人として極めて現実的な考え方を披露している。

「70年代、80年代、90年代、新世紀、そして2010年代にもそれが起こると聞かされてきたが、まだ起こっていない。
いつかは起こるはずだが、いつ来るかと心配してもしかたがない。」


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