バイロン・ウィーン:心配の壁を上る投資家・経営者

Blackstone Advisory PartnersのByron R. Wien氏の9月の市場コメンタリーが早くも届いた。
恒例の「ヘッジ・ファンドの魔術師、不動産王、企業トップ、学者ら」との夏のランチの様子を紹介したものだ。


総じてみんなとても自信を持っていた。
いくつか長期的な心配事があるものの、投資エクスポージャーを減らさせるほどの差し迫った危険を感じている人は少なかった。
大多数の人が、2020年の大統領選挙まで次の景気後退はやって来ないと考えていた。

ウィーン氏が投資家・経営者らのセンチメントを紹介している。
以下、経済・市場面のトピックスをいくつか拾い読みしておこう。

  • 景気拡大・株価上昇の持続性
    「世界中での拡張的金融政策が過去10年の金融市場で重要な役割を果たしてきたことをみんな理解していた。
    しかし、その政策が急激に反転すると予想する人は少なかった。
    そのとおり。」
  • 米財政悪化懸念
    「これと貿易赤字を合わせて考えると、ドル安・金利上昇を予想することもできる。」
    しかし、米政府債務が6兆ドルだった2000年の金利は6%だったが、3倍半の21兆ドルとなった今の金利は平均2%だ。
    「拡張的金融政策によって、『財政赤字は問題ではない』と言ったディック・チェイニー(元大統領)が正しかったことが証明されてしまった。」
  • インフレ懸念
    米失業率の低下と閉鎖的移民政策による賃金上昇が、金融緩和政策と相まってインフレを昂進させるとの懸念が、参加者のコンセンサスだった。
    「ミルトン・フリードマンが言った有名な言葉は『インフレとは常にどこでも貨幣的現象である。』
    おそらく、グローバリゼーションとテクノロジーはインフレを低位に維持しており、今後もそうし続けるだろう。」
  • 中国
    強気派・弱気派の両論あり。

ウィーン氏は毎年、参加者から市場予想をヒアリングしている。
今年の参加者予想はこうだ。


ほとんどの人が、S&P 500が年末までに3,000に到達し、米10年債利回りが来年にかけて上昇し3.0-3.5%レンジにとどまると信じていた。
(金利がさらに上昇しないと見るのは)多くの投資家がお金の避難場所を求めているからだ。
原油価格は、需要増と主にイランとベネズエラの生産減によって上昇し、1バレル80ドルに達しうると予想していた。

ウィーン氏の年初の「10のサプライズ」では

  • S&P 500: 年末3,000超え
  • 米10年債利回り: 4%
  • 原油価格: 80ドル超え
  • 米平均時給上昇率: 4%に近づく
  • 消費者物価上昇率: 3%超え

であったから、長期金利について参加者はやや穏やかな予想をしていることになる。
これこそ、懸念を認めながらも強気を続ける一因なのかもしれない。


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