ピーター・シフ:太った醜いバブルを膨らます政権

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、トランプ政権の経済政策を厳しく批判している。
先食いの政策で経済をよく見せ、それを自画自賛するというのはよくある風景のようだ。


「あなたが指摘した(米景気が好調という)話のすべては、ドナルド・トランプが大統領候補だったバラク・オバマ大統領時代と全く同じトレンドだ。
私がトランプに投票した時、彼はオバマが見せかけの数字を手柄にしていると糾弾していた。
ドナルド・トランプは候補だった頃、実際の失業率は20%、30%、40%と言っていた。」

シフ氏がFox Businessでの討論でトランプ大統領の自画自賛を嘲笑した。
非正規雇用にによって押し下げられた失業率を自分の手柄にするトランプ大統領。
しかし、そのトレンドを作ったオバマ大統領を厳しく批判していた。
現状の低い失業率の大きな要因は、就職をあきらめた人の増加によるものとの批判だった。

「そのトレンドは変わっていない。
トランプの言った『太った醜いバブル』をトランプはオバマから継承し、さらに膨らませただけなんだ。」

この日の討論は、大統領選挙でトランプに投票した人によるものだった。
シフ氏はかつて共和党から上院選を目指したこともあったが果たせず、その後、リバタリアンを支持したこともある。
前回の大統領選ではトランプ氏に投票したというが、今では民主党員よりも厳しくトランプ批判を展開している。
これほどまでに非難を強めるのは、トランプ政権が大きな政府に向かい、財政悪化を招いたためだ。


「私は2018年の経済成長が3%を超えるとは思っていないが、もっと重要なのは、米国が大不況に向かっていることだ。
トランプは減税でいくらか経済成長を買ったが、審判の日を先延ばししているにすぎない。
この減税のために巨額の資金を借りなければいけない。
ドナルド・トランプは政府の肥大化を助長し、福祉支出増・軍事費増によってコスト高の政府にしてしまった。
それらの支払いのために必要な歳入を(減税で)減らしてしまった。」

シフ氏は企業経営者らに広まる楽観を「誤り」と斬って捨てる。
減税は機能せず、今に落胆がやってくると予想する。

「人々は輸入製品の購入を増やしているが、そのお金はどこから来るんだ。
そのお金は(政府の)借金からだ。
私たちはさらに借金漬けになっているんだ。」

シフ氏は徹底的な現実主義者でありリカーディアンだ。
経済刺激策によってプラスの効果が得られれば、その経済刺激策を巻き戻す時に借りを返さなければいけないと考えている。
財政政策を打てば、もちろんプラスの効果が出るが、借金を返す段階でマイナスの効果を被らなければならない。

さらに、シフ氏は、財政政策の弊害がインフレを通して賃金にも表れているという。

「実質賃金は低下しつつある。
次の不況ではインフレが上昇するだろうから、実質賃金はさらに速く低下するだろう。」

シフ氏の見立てはいつものように辛い。
米経済は好景気ではないという。
さらに、次の不況はスタグフレーションになると考えているのだ。

トランプ政権に落胆したシフ氏は、次の大統領選について尋ねられている。

私はまたリバタリアンに投票するよ。


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