ピーター・シフ:ドルは下がり金は上がる

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Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、金価格の上昇を予想した。
景気後退に入れば米国は貿易戦争に敗れ、ドルが売られ金が買われることになるという。


「(金価格が調整したのは)米経済が活況で米国が貿易戦争に勝てるという、世界中の投資家の集団妄想によるものだろう。
実際は米経済はよくないし、米国は貿易戦争に勝てない。
現実が見え始めれば、金価格ははるかに上がるだろう。
今は1,200ドル程度だが、ここにはかなり強い抵抗線がある。」

シフ氏がロシア国営RT番組で話した。
経済的自由主義者であるシフ氏がロシア国営メディアとは違和感があるかもしれないが、実はシフ氏は常連だ。
敵の敵は味方なのだ。

シフ氏の弱気予想は徹底している。

  • 米経済はバブル状態にあるが、すでに萎み始めている。
  • 株式市場は、トランプが共和党候補に選ばれた時よりも大きなバブル。
  • 減税による財政赤字拡大は減税の一時的効果よりも大きなマイナス影響を経済に及ぼす。
  • 軍事、福祉への歳出増で米政府はコストのかかる体質になった。

経済的自由主義者であるシフ氏からすれば、米政府がどんどん大きな政府になっていくことが許せないようだ。
その結末を次のように予想している。


納税者は所得税でそれを払うのではなく、今目の当たりにしているように、政府債務増大、インフレ上昇、消費者物価上昇でそれを払うことになる。
消費者物価が上がり、金利が上がり、こうした傾向が続く。

また、米国は貿易戦争の勝者とはなりえないと語っている。
景気後退期に入れば、米国の敗北が明らかになるだろうと予想し、その負け方を説明した。

「米国は、外国経済が生産したものを借金で買うことが許されている点で恩恵を受けている。
それをやめれば、米国民は苦しむことになる。」

米国は貿易赤字の分を外国から借金している。
この借金を返せと言える人はほとんどいない。
中国も日本も米ドル建て外貨準備を回収できない。
他に買えるものは少ないし、仮にそうしようとすれば、暴落してしまう。
返さなくていい借金だとすれば、それは本当に借金なのだろうか。
金利の存在が借金との認識を支持するのだろうが、世界の金利は以前としてひどく低い。

貿易戦争の相手方は輸出国だ。
仮に貿易不均衡を無理やり解消しようとすれば、輸出国はもう借金を許さなくなる。
そこで、米国の災難が始まる。

「ドルは崩壊するだろう。
ひとたびドルが崩壊すれば、みんな金に殺到するはずだ。」


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