米ドル

 

バンガード:他商品にしわ寄せされていないか?

執筆:

米ファンド業界で価格競争が進んでいる。
この動きに対し、先行しているバンガードの意地悪なコメントが興味深い。


投資信託の価格競争で最近最も目を引いたのはフィデリティだろう。
同社は今月3日、手数料無料のファンドを2つローンチした。
Fidelity Zero Total Market Index FundとFidelity Zero International Index Fundだ。
前者は米国株、後者は米国株以外の株式の投資リターンを投資家に提供するもの。

低コスト・ファンドといえばバンガードが有名だが、最近ではインデックス・ファンドやETFなどの分野で他社にも手数料引き下げの動きが見られる。
ブラックロック、チャールズ・シュワブなど大手が手数料を引き下げ、競争上の不利を縮めようとしている。

こうした低コスト競争について、低コスト戦略で先行するバンガードがBloombergにコメントしている。

こうした商品が発売された時には、投資家はよく考えなければいけない。
『裏に何があるんだ?』
他の商品で他のことに課金されるようになるんじゃないかと疑うべきだ。


なるほどもっともな指摘だ。
ファイナンスの鉄則《フリー・ランチはない》のとおりだ。
もっとも、仮に本当にツケが他の商品に回るのであれば、少なくともZeroファンドに投資した投資家は報われることになる。
損をするのは、Zeroファンド以外のフィデリティのファンドの投資家だ。
その意味で、バンガードのコメントはフィデリティにとってボディ・ブローのように効いている。

もう1つ疑うべきは、ツケがやっぱりその商品のどこかに回されることだろう。
大昔の日本、投資信託で稼ぎたいがために、運用会社が頻繁に売買を繰り返すということが行われた。
それらの運用会社が証券会社のグループ会社だったためだ。
投資信託の手数料で稼げなくても、売買手数料で稼いでいたのだ。

ファンドに投資した場合、私たちが目にする形以外で、手数料がかかる可能性は拭いきれない。
結局それをチェックするには、諸コストをネットした後のパフォーマンスを検証するしかない。
ファンドが低コストであることは極めて魅力的な点だが、それは初めのスクリーニングの1条件にすぎないと考えるべきだ。


 - 投資