マーク・ファーバー:現金が一番危ない

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スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏は、世界の流動性収縮が市場に脅威を与えるリスクがあると話している。
ところが、リスク・オフのための現金保有は一番危険なことなのだという。


「中国経済についてとても心配している。
中国はとても大きな製造セクターを擁しており、今では中国経済は米経済より重要だ。
忘れていけないのは、誇張でなく、すべての工業品コモディティの約50%が中国で使われている点だ。」

ファーバー氏がJay Taylorに対して、米中貿易摩擦のエスカレートへの懸念を述べた。
中国は多くの工業製品の作り手であり、コモディティの買い手であり、世界の輸出品の大口顧客だ。
米中の関税合戦がエスカレートすれば双方が不利益を被るのは火を見るより明らか。
中国経済が調子を崩せば、世界は割高な製品を買わなければならなくなり、コモディティ産出国は経済が悪化し、中国への輸出で稼いでいる国は打撃を受けることになる。
ファーバー氏は過去、多くの人が中国経済の崩壊を予想し外してきたことを認めるが、それはリスクがないことを意味しないと滲ませる。

「中国の過去10年の債務拡大は、世界の過去200年の信用拡大の中で最大のものだ。
とても特殊な状況であり、中国だけでなく他の多くの国、新興国も債務レベルを高めている。
これは経済活動の減速または世界の流動性収縮をもたらすだろう。」


ファーバー氏は、すでに世界の流動性が収縮する兆しが見えていると話す。
これが新興国市場を苦しめているという。

世界の流動性収縮の兆しこそドル高だ。
世界の流動性が収縮するとドルが強くなり、再び拡大するとドル安になる。
トランプの政策は基本的に間接的に世界の流動性を収縮させるものであるため、現時点での新興国市場の見通しはよくない。

ファーバー氏は従前の予想どおり、足元の新興国市場について弱気の見方をしている。
かと言って、先進国、特に米国の市場についてはもっと慎重なスタンスだ。
この投資難に、さらに追い打ちがかかっている。

問題なのは、現金こそおそらく最も保有するのが危険なものであることだ。
・・・現金を保有していれば、長い間に極めて大きな購買力を失うことになる。

ファーバー氏がここで「現金」と話しているのは、少し広い意味での現金であるようだ。
自国通貨の現金だけでなく、外国通貨、さらには金なども含めている。
これら「現金」は基本的に金利を生まない。
さらに、中央銀行はインフレを求めているから、インフレが進む分だけ現金の購買力は失われる。

「現金は危険だから、どの通貨の現金を持つかを決断しなければいけない。」

リスク・オフをしたいなら、通貨を決め、短めの国債等で運用する場合の利回りを知り、現金なのか短期の債券なのか、決断をしていかなければいけないという。


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