ケネス・ロゴフ:経済成長が債務問題を表面化させる

Kenneth Rogoffハーバード大学教授が、金利上昇と債務問題について語っている。
世界的な金利上昇に見合う成長を実現できない経済では債務が大きな重しになるという。


借金が多くても経済成長がさほど高まらないところもあるだろう。
イタリアが経済成長するかどうかわからない。
日本や新興国は長期的な課題を抱えている。
だから、それに関係する債務問題が表面化するだろう。

ロゴフ教授がスウェーデンEFNに話した。
米経済の好調が伝えられる中、教授は経済成長が諸刃の剣になりうることを警告する。

「未公開・公開を問わず多くの市場で債務レベルが極めて高い一方、金利は極めて低い。
だから、金利上昇に対する脆弱性があるのは間違いない。」

もちろん、時期を決めて金利が上昇するか否かを予想することは難しい。
ロゴフ教授も誠実に金利が上昇するかどうかは「わからない」と話している。
しかし、経済の改善が金利上昇要因であることは間違いない。

「私は、趨勢的停滞論は行き過ぎと考えている。
・・・今後10年、経済はリバウンドすると信じている。」


ロゴフ教授は、ローレンス・サマーズ氏らが提唱する趨勢的停滞論に異論を唱えている。
経済はリーマン危機の打撃から立ち直ってきていると考えている。
それには明確な理由がある。

「金融危機に陥った時には生産性が低下していたが、金融危機がそれを増幅した。
みんな投資や借入をするのを恐れ、特に、本当の創造性を発揮する中小企業では借入が難しかった。
この状況が米国、とうとう欧州ほかの地域でも解消しつつある。
解消するにつれ、投資が戻ってきて、金利も上昇していくだろう。」

経済が活発になり金利が上昇することを、ロゴフ教授は「いいこと」と考えている。
しかし、もっと詳細にセクターごと、地域ごとにみれば、いいところ悪いところがある。
金利上昇はいいところにはいいが、悪いところには厳しくあたる。
こうしたことは過去にも見られたことだという。
金利が上昇すれば、悪いところで債務問題が表面化するのだ。

「主要経済において強い経済成長が実現し金利が上昇すると、しばしば問題を引き起こす。
それが主要国で起こるかどうかはわからない。
可能性はあるが、そうしたことは75年に1度の頻度で起こる。
誰にもわからない。」


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