ブラックロック

 

ブラックロック:新興国株、アジア株がいい

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資産運用の世界最大手BlackRockのRichard Turnill氏が、新興国株式への投資を推奨している。
新興国債券については慎重なブラックロックだが、株式については真逆のスタンスのようだ。


私たちは依然として新興国市場株式を選好しており、アジアを好んでいる。
金融市場がさらに引き締まれば、より厳しい銘柄選択が必要になるだろう。

ブラックロックのターニル氏が自社のブログに書いている。
同氏によれば、今年の新興国市場の下落は、株価とファンダメンタルズの乖離の結果だという。
何かのきっかけでこの乖離が解消に向かう可能性があるのだ。
ターニル氏は、ブラックロックの経済・市場シナリオを説明する。

「世界経済に対する私たちのベース・ケースは、米中主導で世界経済が堅調に拡大し、FRBの利上げは緩やかに行われ、企業収益は2桁成長するというもので、これが市場に好ましい状況を与えている。
しかし、その見通しには不確実要因もともなっている。
エスカレートする貿易摩擦や米国の過熱は、利上げとともに、米ドル高や金融環境の引き締まりをもたらしている。」

これに市場は敏感に反応した。
貿易摩擦、ドル高、金融環境引き締まりはいずれも新興国の逆風になりがちだ。
貿易摩擦は輸出を阻害しかねないし、ドル高・金利上昇はドル建て資金調達のある新興国の不利益になる。
だから、市場は新興国市場の株式を押し下げてきた。
しかし、この下げはファンダメンタルズに基づいたものとは言えないようだ。


「新興国市場の企業収益モメンタムは堅調で、ますます広範になっている。
MSCI EM Index採用銘柄の2018・19年の利益拡大のメジアンはそれぞれ10.1%、13.6%と予想されている。」

ターニル氏は、年初以来、2018-19年の利益予想が上方修正されている点に注目し、これが11.3倍という予想PERを生み出したと指摘する。
市場の恐怖感がファンダメンタルズを見ない投資行動を生み出したのだ。
同様の指摘はAllianzのモハメド・エラリアン氏ら多くの人が指摘している。
エラリアン氏はこのことを「しっぽが犬を振り回す」と表現した。

いずれにせよ、ある種の理不尽が投資のチャンスを生み出しつつある。
本当に理不尽ならば、逆回転も十分に起こりうる。

「新興国市場株式のパフォーマンスを決めるのはドル相場だけではない。
新興国市場株式の売りは、ファンダメンタルズが強い中で起こっている:
魅力的なバリューエション、力強い企業収益拡大、過去4年で最高のROE。
貿易摩擦の緩和は悪化した市場心理に光を当てるだろう。」

もちろん、今後も新興国株式にはリスクが付きまとう。
しかし、ターニル氏はこの資産クラスが「投資家にリスクに見合ったリターンを提供する」と考えている。


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