ブラックロック
 

ブラックロック:金は1割ほど割安

資産運用の世界最大手BlackRockのRuss Koesterich氏が、金についての見通しをやや上方修正している。
金利上昇とドル高の悪影響が消化され、ある指標によると金は2016年以来の安値水準にあるのだという。


ドル高が続く限り、金は苦戦する可能性が強い。
その上で、この推計法によれば、金は2016年終わり、ドルが最後にピークを打って以来、最安値圏にある。

ケストリッチ氏が自社のブログで金の割安感について言及した。
同氏は昨年11月今年6月のブログで、実質金利上昇・ドル高の見通し等を根拠に、金が伸び悩むと予想していた。
その時点での推奨は、持ち高を減らして持ち続けろであった。

ケストリッチ氏は今、慎重にではあるが、その見方を変えようとしている。
心配されていた実質金利上昇やドル高について、市場が織り込みを済ませた可能性があるためだ。
仮にそれらの重しがとれたとすれば、金は今後どちらに動くだろう。

「すべての資産クラスの中で、コモディティ、特に金は間違いなく最も評価の難しい資産だ。
コモディティは通常とても価格変動が大きい。
しかも、そこからキャッシュフローが得られないために評価が難しい。
その結果、コモディティはもっぱらモメンタムを見て売買されている。」


ケストリッチ氏はコモディティ価格予想の現実をこう伝えている。
しかし、同氏が今後を予想するのに使いたいのは、こうしたテクニカル分析ではない。
むしろ、なんとかファンダメンタルズ分析に近づけられないかと模索し、1つの指標を提案している。
それは、金について一部で根強く信じられているインフレ・ヘッジ需要に基づくものである。

「金の価格レンジ推計法の1つとして有用と思われるのは、金価格 対 米マネー・サプライ(M2)の比率だ。
・・・この推計法の背景にある論理は、長期的には金価格がマネー・サプライと同期するとの考えだ。」

インフレ ≒ M2増大 → 金が買われる というロジックである。
ケストリッチ氏は、この比率が(少なくとも超長期で)中央回帰すると考えており、今2016年以来の安値圏にあると指摘している。
いまだ米国でも物価は上昇しにくい状況にあるが、ケストリッチ氏はヘッド・ライン・インフレ率2.9%に注目する。
これは2012年以来の高さであり、金価格にプラスだという。
同氏は金価格が約10%ほど割安になっていると推計している。

ただし、歯切れはさほど良くない。
ファンダメンタルズ分析は短期のタイミングを計る上ではあまり優秀ではないといい、中央回帰も長期的均衡にすぎないと断りを入れている。
ここでのテイク・アウトは、金価格の足を引っ張っていた要因が徐々に消えつつあるということだろうか。


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