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ハワード・マークス:今は8イニングだが・・・

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Oaktree CapitalのHoward Marks氏が、景気や相場のサイクルを読む難しさを語った。
一方、現在の市場には弱気相場入りの前によく見られる風景が増えているという。


「私も来年の景気後退の兆しは見えないと思う。
しかし、景気拡大が10-11年続き、強気相場が10年続いている時、さらにどれだけチップを積み上げたいか?
それとも何回かカードを休みにするか。
それが重大な問題なんだ。」

投資の大ベテラン、マークス氏がCNBCで語った。
景気や市場のサイクルが長期化する中で、景気・市場の様々な局面を経験した人材が少なくなっている。
普通、1つの世界で9年の経験があるといえば立派な経験だ。
しかし、米金融界で9年の経験があるという人でも、その人は金融界において米景気後退や大きな株価下落を経験したことがない。
ただただ低い金利と景気拡大、一本調子の株価上昇だけを経験してきたのみだ。
日本においてはもっと深刻だ。
金融市場に四半世紀携わった人でさえ、バブル後の低い金利の世界しかしらないし、高インフレに至っては45年も経験していない。


「世界危機以降の10年間、今が(野球で言うと)何回なのかと尋ねられ続けてきた。
私は8回だと思う。・・・
ただし、これは野球じゃないから、何回まであるのかはわからないんだ。」

大ベテランは、景気拡大の終わり、強気相場の終わりを予想することの難しさを語る。
仮に9回で終わるなら、弱気相場や景気後退はもうすぐそこに来ていることになる。
しかし、景気や相場には決まった回数はない。

「11回までかもしれないし、14回までかもしれない。
もちろん、サイクルのその時点がくれば、みんなさらに回数を増やそうとし始める。
5年経った時には、まだ3年は続くと言い、10年続けば、さらに5年続くと考えるが、それは直観に反する。」

マークス氏の見方はあくまで現実的だ。
市場の楽観を危険視している。
危険が迫っている時に見られる現象が今も見られているという。

「長く続く強気相場は通常4つの単語で迎えられる。
『It’s different this time.』(今回は違う)
私の50年の経験では(景気サイクルの)終期には、みんななぜ(強気相場が)終わらないかを正当化しようとする。
もちろん、ほとんどのケースで何も違いはないんだ。」


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