ジム・チャノス:生で調理不足のステーキ

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Kynikos AssociatesのJim Chanos氏が、TeslaのElon Musk CEOからかけられた嫌疑を明確に否定している。
マスク氏の発言は80%が真実でないと、経営者としての資質を疑った。


深刻な告発を行う時は、強力な証拠を用意すべきだ。

チャノス氏がCNBCで語った。
何を言っているのかと言えば、TeslaのマスクCEOが今月5日に書いたツイートのことである。

「Linette Lopezは、Teslaの最大の売り手のうちの1人に対するインサイダー取引の情報ソースなのか?
Teslaの元従業員は、Lopezが元従業員を買収し、元従業員がかわりにTeslaの貴重なIPを送ったと公表しているが、本当なのか?」

Lopez氏とはインターネット・メディアBusiness Insiderの特派員を務めるジャーナリストだ。
問題はこの1文目。
「最大の売り手のうちの1人」がチャノス氏というわけだ。
(マスク氏の他のツイートではチャノス氏の名前が明示され、さまざまなネット上の噂話が紹介されている。)


舌禍が続くマスク氏

マスクCEOのメディア嫌いは今始まった話ではないが、5日は特にひどかった。
ツイッター上で他のユーザーと会話する形で、Teslaや自身に対し批判的な記事を報じるメディアを批判している。
その対象の1つがBusiness Insiderであり、CNBCであった。
批判されたから批判し返したのだろうが、ネット上の噂レベルの話を根拠に、投資家まであやふやな告発の対象にするのは発行体の経営者としていかがなものか。
チャノス氏は厳しい顔で事実関係を否定したが、内心は喜んでいたのかもしれない。

マスク氏と言えば、タイの洞窟に閉じ込められた少年らの救出のため、超小型潜水艦を送ったことでも話題となった。
純粋な善意ではなかったとは言わないが、現地で文字通り死と隣り合わせの救出策を講じている人たちからすれば、こうした話はお節介でしかない。
救助にあたった英国人ダイバーは汚い言葉も交えてマスク氏の潜水艦にダメ出しをした。
これに怒ったマスク氏はツイッターで、英国人を「小児性愛者」と口汚くののしっている。
このツイートへの批判は大きく、マスク氏はツイートを消去後、謝罪に追い込まれている。

チャノス氏は、投資家が受けるべき正当な罰はいわれのない中傷ではなく、見立て違いにより被る投資ロスであるべきと語る。

(次ページ: シリコンバレーの傲慢)


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