マーク・モビアス:新興国市場の検討を始めろ

新興国市場投資の大ベテランMark Mobius氏が、不振の続く同市場についてコメントした。
しかし、その口調にはほとんど悲観が感じられない。


遅かれ早かれ金融危機がやって来るのは間違いない。
金融緩和期から脱しようとしているんだから。
存続のために金融緩和に依存している企業の多くは、深刻なクランチを見舞われるだろう。

モビウス氏の発言をBloombergが伝えている。
同氏は米国、世界が「海図のない領域」に迷い込んだと話す。
その理由は金融政策の変調だけではない。
トランプ政権の仕掛ける貿易摩擦も大きな要素だ。
FRBやECBが金融を引き締めれば、新興国市場のマネー・フローにも影響が及ぶ。
米国が自由貿易を揺るがせば、新興国を含むサプライ・チェーンに大きな変化を強いる。

「私たちは個々の国、企業をよく見て、誰が勝者で誰が敗者かを見極めなければいけない。
来年・再来年はとても面白い時期になる。」

長年新興国市場への投資を続けてきただけあって、モビウス氏のメンタルは前向きだ。
とても金融危機の到来を予想する人の話には聞こえない。


「新興国市場は全体で見て20%程度下がり、いくつかの市場ではさらに下がった。
まだ10%は下がりうる。
・・・しかし、今は新興国市場の企業への投資を検討し始めるべき時期だ。
チャンスは広がっている。
通貨は下がり、多くの市場で大きく下がっている。」

あたかも金融危機の時のウォーレン・バフェット氏のように、モビウス氏は新興国市場の受難を目を細めて眺めている。

「新興国について通貨の大幅安という意味で面白いのはブラジル、トルコだ。
インドは大きくは落ちていないが、中国製品の禁輸の余波で、大きなチャンスになるかもしれない。」

モビウス氏は他にも多くのチャンスに言及している。
同氏の言うチャンスとは、資産価格と為替の掛け算によって決まる。

「私たちは企業に投資する際に最短で5年の投資期間を想定する。
通貨についても同様に考えている。
私たちは各国通貨を物価パリティの尺度で評価している。」

モビウス氏の調達通貨である米ドルと比べて過小評価されている通貨を探すということだ。
投資時点で過小評価されていればいるほど、投資のリスクは小さくなる。
逆に、投資期間中に通貨安が進んだ場合も、冷静に損得を検証する必要があるという。
最近の大幅なトルコ・リラ安を例に説明した。

「多くのトルコ株、とりわけ未公開株はその間上昇し(通貨安と)同じぐらい上げた。
結果、株価上昇と通貨安がバランスしたんだ。」


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