レイ・ダリオ:国家非常事態を宣言すべき

執筆:

Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が、人工知能や機械化についてコメントしている。
自身が予想したとおりに歴史が繰り返していることに強い危機感を示しているようだ。


国家非常事態を宣言し、特別委員会を設置し、政策と計測の提案のための数値基準を設けなければならない。
そうすることで(彼らの仕事を)改善し給料より多く稼げるようにし、得られた変化を計測できるようにすべきだ。

ダリオ氏が自身のSNSアカウントで書いている。
ひどく大仰な話のように見えるが、いつものようにダリオ氏は大まじめだ。
では、国家の非常事態とは一体何なのか。

「アルゴリズム化/自動化された意思決定は諸刃の剣だと考えている。
一方では総合生産性を改善するものの、一方では雇用を奪い、大きな富と機会の格差やポピュリズムを生み、国家の非常事態を引き起こす。
この影響もあって、資本主義がアメリカ人の大多数のために機能しなくなり、危機にさらされている。
それなのに、誰も何をなすべきか真剣に検討していない。」

ダリオ氏は、機械化・自動化が多くの人々から仕事を奪っていることを非常事態と呼んでいるのだ。
同氏は基本的には機械化・自動化に前向きだ。
それは生産性を高めてくれるだけでなく、ルールの徹底につながるからだ。
自身の行動哲学「Principles」をコンピュータによる経営管理に落とし込んだ「未来の本」プロジェクトもその表れだ。
だから、安易な再分配強化はダリオ氏の頭にはない。


「私は、他によい選択肢がないのでもない限り、生産性の劣る人々にお金を配ることが彼らや経済にとっていいこととは思わない。
彼らの多くの生産性を高める方法を探す方がいいだろうし、可能だと信じている。」

実際、ダリオ氏は費用をあまりかけずに生産性を向上させる方法を多く知っているという。
他の人の知恵を合わせれば、そうした方法は多くあるはずと主張する。
生まれながらに(自身の素養や家庭環境から)生産性が高い人は幸せだ。
でも、そうしたラッキーな人でなくとも、誰かが少し背中を押してやれば何か変化が起こるかもしれない。

「生産性とは万人にとっていいことだ。
不幸にも誰にでも与えられるものではない。
それを変えなければいけない。
それを実現するためのリーダーシップが必要だ。」

ここでダリオ氏の議論は大きく悲観に触れる。
米政権は必ずしも格差を縮小しようとしているようには見えない。
分断と融和で言えば、明らかに分断を志向している。
これが1937年との類似を思い起こさせる。

残念なことに、こうした流れのことが何も起こらない可能性の方が大きい。
次の経済後退期、持つ者と持たざる者は対立し、ほとんどの人の生産性を上げるための計画づくりで協働するのではなく、所得再分配について戦うことになろう。

奇しくも6日、米中は互いに輸入関税を発動した。
米国が340億ドル相当の関税を発動すると、中国が同額相当の関税で応酬した。
これは1937年ではないものの、少し前1930年のスムート・ホーリー法を彷彿とさせる。
ダリオ氏はこうツイートしている。

今日は中国との戦争の第1日目だ。

ここでいう「戦争」とは貿易戦争のことだろうか。
それとも列強と新興勢力の文字通りの戦争だろうか。


 - 政治