エラリアン:6月雇用統計の読み方

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独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、6月の米雇用統計についてコメントした。
マチマチとも受け取れる結果だったが、エラリアン氏は強気の解釈を展開している。


「外国経済の不透明感増加や貿易戦争の脅威にもかかわらず、印象的な毎月の雇用増が続いているため、民間および政府のエコノミストは経済見通しを米経済成長について引き続き強気としている。
また、雇用増はFRBが年後半に2回利上げを行うと示唆している理由でもある。
加えて、雇用統計のうちあまりよくない指標、比較的出遅れている賃金上昇と労働参加率上昇による失業率上昇は、強く包括的な拡大継続を支える需給両面の要因をさらに高める可能性を与えている。」

エラリアン氏がBloombergへの寄稿で書いている。
6日発表の6月の米雇用統計は


  • 非農業部門就業者数: 前月比213千人増(市場予想は195千人増)
  • 失業率: 4.0%(前月比0.2%ポイント悪化、市場予想は3.8%)
  • 平均賃金の伸び: 前月比0.2%(前月ならびに市場予想は0.3%)、前年同月比2.7%(前月は2.8%)

就業者数増は間違いなくいい話だろう。
失業率が悪化したのには労働参加率上昇という理由があり、これは将来の就業者数増、さらには米経済の供給力拡大につながる話だ。
緩慢な賃金上昇は労働者にとっては望ましくないことだが、これによりインフレ昂進が起こらないと考えれば、家計にとっては朗報でもある。
なにより、インフレ圧力が働きにくい現状は、米金融政策にとってはパワー・アップしたゴルディロックスと言えなくもない。
つまり、FRBがインフレ封じのために利上げを急ぐ必要は大きくない。

エラリアン氏はこの雇用統計から3点を結論づけている:

  • 米経済は外国経済より力強く成長している。
  • 完全な貿易戦争に発展しない限り、通商政策の不透明感は乗り切れるはず。
  • FRBは年内にあと1-2回利上げする。

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