レイ・ダリオ:人生一度のイベントに備える投資戦略

Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が、あらためて現状と1937年の類似性を語った。
金融政策の先行きを占い、投資において今なすべきことを示唆している。


「歴史とは何度も何度も繰り返すものだ。
ある種のことはある人の人生で一度しか起こらないかもしれない。」

ダリオ氏がBloombergで信念を語っている。
この信念に基づいて、最近は熱心に歴史を研究している。
昨年3月には内外で強まるポピュリズムについて包括的な研究を行った。
今ほどポピュリズムが世界的に台頭することはまれだ。
まさに「人生で一度」かもしれない。
ダリオ氏は、最も似た状況は大恐慌まで遡ると語っている。

「2007-09年の金融危機は1929年の危機ととてもよく似ている。
債務過多、ゼロ金利(米史上でこの2回のみ)、量的緩和の実施・・・、これが資産価格を上昇させた。
1933年と2009年に量的緩和が実施された。
経済は回復し1937年まで続いた。」

ダリオ氏は現在の景気拡大の終わりが1937年と酷似した状況になると暗示している。

景気後退がさらなる混乱へ

危機からの脱却のために講じられた金融緩和は経済を回復させたが、それは全体のパイの話にすぎなかった。
正の資産効果には格差拡大の弊害があり分配が歪んだと、ダリオ氏は1930年代と過去9年間を振り返る。


「結果、ポピュリズムが高まっている。
資本主義は・・・大多数のために適切に機能しているとは言えない。
民主主義はその運用について疑問がある。」

格差とポピュリズムの問題に加えて、現在心配されるのがトゥキディデスの罠であり、忍び寄る景気後退だという。
次の景気後退は厳しい状況になり、政治的な二極化(左派はより左に、右派はより右に)がさらに進むと予想している。

準備通貨の栄枯盛衰

ダリオ氏の将来見通しは楽観的とは言えない。
FRBが進めるバランスシート縮小も、FRBが計画するよりはるかに鈍化するだろうという。

FRBはバランスシート縮小を鈍化させるか、停止するか、状況が悪くなれば拡大に転じるだろう。
金融引き締めは予想されているほどには進まない。

これも不安材料ではあるが、ダリオ氏はそれより深刻な問題が待っていると示唆する。
それは、基軸通貨が必ず通る道の話だ。

「より大きな問題は、米国が準備通貨を発行しているために、世界中の国々が大量の(米ドル建て)債券・債務を保有していることだ。
準備通貨の典型的なサイクルだ。
・・・彼らが(米債を)売るとは思わないが、注意は必要だ。
米国が買ってほしいほどには買ってくれなくなる可能性がある。」

ダリオ氏はそれでも米長期金利について、4.5%まではいかないと予想する。
そこまで上昇してしまえば、経済と資産価格に深刻な影響が及びかねないからだ。

(次ページ: 「バランスのよくとれたポートフォリオ」)


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