ジム・ロジャーズ:北朝鮮は中国モデルで

ジム・ロジャーズ氏が、あらためて北朝鮮への制裁解除・投資について期待感を示した。
北朝鮮は資本主義・起業家精神を経済運営に生かすべきという。


「金正恩は中国のやり方を見習うべきだ。
中国は友好国であり教師であり、その役目を果たしたがっている。
・・・中国は支援するだろうし、韓国もそうだろう。」

ロジャーズ氏がThe Kerean Timesで話した。
中国モデルが正しいやり方か否かへの意見は避けたものの、とにかく北朝鮮で機能するのではないかという。
同モデルは、孤立した国家に合うはずと考えるからだ。

同様のやり方はシンガポールや韓国の経済の発展段階でも見られたといい、その要点は起業家精神を生かすことだ。
起業家が金儲けすることを許容し、それを経済発展の原動力にすべきということだ。
実際、北朝鮮にはその素地が十分にあると話す。

「最後に北朝鮮を訪れた時、市場に言ったが、そこにはたくさんの屋台があり起業家がいて、ありとあらゆるものを売っていた。
・・・つまり、彼らは起業家が何かを知っている。
・・・中国と同じように、ただヒントが必要なだけだ。」

ロジャーズ氏によれば、この数年、北朝鮮はシンガポールにも人を派遣し、シンガポールの市場経済について学んでいるのだという。

ロジャーズ氏は、米韓共同演習の停止を「とても賢明な変化」と評価している。

「私はこれを韓国政府に提唱したこともあるんだ。
・・・米韓は50年間、同じ演習を行ってきた。
これを1年停止したところで、何か問題が起こるはずもない。」

ロジャーズ氏は北朝鮮と西側の関係改善に期待感を示す。
韓国、アジア、世界のすべての人にとっていいニュースだという。
その真偽はともかく、ロジャーズ氏には投資というはっきりしたインセンティブが存在する。
現状、米国民の北朝鮮への投資は違法だが、合法となればぜひ投資したいと前のめりだ。
投資の条件は南北統合ではない。
合法化である。


「開放された北朝鮮はとてもとても安い。
世界一安い国になるかもしれないが、北朝鮮は中国と韓国というとても豊かな国々の間にある国だ。」

ロジャーズ氏というエンターテイナーが北朝鮮投資をどれほど真剣に考えているのかは、本当のところはわからない。
過去、繰り返し話していることだから、選択肢の1つなのだろうが、いざ合法化されても、ロジャーズ氏の投資対象の選択基準はかなり厳しいものになるのではないか。
世界には、たくさんの有望な投資機会が存在する。
中国と韓国に挟まれ、鉱山資源に恵まれているというのは確かに魅力的だが、それだけで安易に投資する投資家でもない。

また、北朝鮮が犯罪国家であることも忘れてはいけない。
よき父であるロジャーズ氏にしても、自身の子が北朝鮮に拉致された経験があれば、北朝鮮の今の状況に能天気に喜ぶことはなかったろう。
軍事演習はそれが軍事である以上あまりいいことではないが、だからと言って「完全な狂気」などと評することもあるまい。

北朝鮮による拉致はすでに発生から数十年が経っており、すべてがハッピー・エンドになるとは考えにくい。
(ただし、そうなることを諦めず願っている。)
日本人が求めているのは、赤の他人の人骨を送り返すのではなく、誠実な対応を尽くしてほしいということだろう。
生きているなら帰国させ、亡くなっているなら可能な限りの説明・遺品を返してほしいということではないか。
それが果たされるまでは、日本は制裁を続けるべきだし、これ以上1円たりとも資金拠出など考えるべきでない。

ロジャーズ氏のように世界を知る人が、投資機会に目を奪われ、人の道を軽視しているように見えるのはとても残念だ。


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