ロバート・シラー:トランプは反マーケットに

ロバート・シラー教授は、トランプ政権が市場に優しくない政権に変化している可能性を指摘している。
世界から孤立するような政策を続ければ、市場の割高観という不安を現実のものにしかねないという。


トランプ大統領はこれまでは資本主義への傾斜により市場を押し上げるように振舞ってきた。
みんなトランプ大統領が市場にとってプラスと信じている。
しかし、米国が反感を買うようなら、必ずしもそうではなくなる。

シラー教授がCNBCで、トランプ大統領のプロ・ビジネス、プロ・マーケットの評価が変化する可能性について語った。
減税や財政支出では企業活動や市場を後押ししてきた政権だが、米国から仕掛ける貿易摩擦についてはそうとも言えない。
外遊から帰国した教授は、海外の反応を尋ねられると、話せることは多くないと空気を説明した。

「彼らが嫌がっているのは間違いない。
アメリカ人の私を相手にその話題を持ち出さない傾向がある。」

こうした傾向は、数か月前にロシアに行った時も同じだったという。
対露制裁だけでなく、アメリカ人に対して「すべてのことに黙ってしまう傾向があった」という。
米国が世界から敵視の対象になり始めている。

トランプ政権は世界中で怒りを生み出しており、シラー教授はこうした政策が「持続可能でない」と見ている。
教授は、米国の孤立がアメリカ人の怒りから始まっていると分析する。


「トランプ大統領は『彼らはこれまでの(米国に)不利な取り決めについて私たちを嗤っている』と言っている。
これは怒りを掻き立てる計算だろう。」

しかし、これを諸外国にやみくもにぶつければ反感を買うのも当たり前だ。
シラー教授は、最近のG7会合を例に挙げ、同盟国との反目が最終的には信頼を損なうと心配する。

やっかいな大統領がプロ・マーケットでなくなったら何が起こるのだろう。
シラー教授はシラーCAPEレシオが引き続き高位にあり、米市場がかなり割高であると指摘する。
「いつ」を予想するのは困難だが、必ず調整が来るはずだと語る。

「2009年以降、米市場はすばらしい相場だった。
もちろんトランプがすべてではなくて、ほとんどがオバマ時代だ。
しかし、トランプはその最終局面、本当に上り詰める局面に関連している。」

オバマ時代が強気相場を長く育て、トランプ時代が最後に市場を噴き上げる。
《強気相場は心配の壁を登る》の言葉通り、上昇とともに投資家の心配も積み上がっていく。
シラー教授は自身が調査を続けている投資家信頼感指数にその傾向が表れていると話す。

「市場の割高感に対する懸念はどんどん高まっている。
それでも投資を続けている。
人間の本性に内在するパラドックスの1つだ。」

市場下落が「いつ」かは予想困難だ。
さらに、ある下落が弱気相場入りなのかを見定めるのも難しいという。

「市場下落の度、1月もそうだったが、みんなが『これで終わりだ』と思って、急に心理が変わっては戻る。
これまでいつも見られてきたことだ。」


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