ロバート・シラー:トレンドは大戦中に反転する

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ロバート・シラー教授が、米国における法人税の歴史について回顧している。
トランプ減税は大きな減税トレンドの一コマだとし、これを反転するには大きなイベントが必要だという。


「レーガンとトランプの税制は異常値だと考えたいが、これらは長期トレンドの一部なのかもしれない。
レーガン減税がその後の政権の下で大きくは反転しなかった点を重視すべきだ。
トランプ大統領の減税も、仮にトランプの政治力が後退しても居座り続けるかもしれない。」

シラー教授がThe NY Timesで予想している。
トランプ政権はしょせん長くても8年だ。
4年、あるいはそれ以下で終わる可能性も十分にある。
仮にトランプ政権が終わっても、教授は減税トレンドが変化しない可能性があると話している。
超長期の減税トレンドの一部と考えるからだ。

「連邦法人税が始まったのは1909年で、当時の税率は最低水準である企業利益の1%だった。
100年以上かけて、広がったコブ型の推移をしてきた。
約半世紀は上昇し、その後約50年かけて減少してきた。」


初めの半世紀、法人税が導入されたロジックは、固定資産税・関税には不公平があるというものだった。
その後、戦争があるごとに(政府は愛国心の高まりを利用し)法人税率を引き上げ、超過利益税まで導入した。
超過利益税は終戦とともに撤廃されるが、法人税は高止まりした。
法人税率は1968年にピークの52.8%となった。
こうして増えてきた法人税も、1993年レーガン政権の下でトレンドを反転する。
昨年末のトランプ減税では、法人税率は昨年の35%から2018年21%に引き下げられた。

シラー教授は、このコラムでほとんど自身の価値観を含めていない。
しかし、教授が行き過ぎた減税に危機感をもっていることは日頃の発言から容易に想像できる。
この半世紀に及ぶ減税トレンドは反転しうるのか。

「(減税)トレンドは、主に戦時中に大きく反転してきた。」

戦争を口実にでもしないと、増税とはなかなかできないものなのだ。
これは、特に小さな政府を求める社会で顕著なのだろう。
小さな政府を求める傾向が強い先進国と言えば米国。
次いで日本。
そして逆側なのは欧州だ。

この歴史を前提にして自問すべきだ:
大衆を刺激し、幅広い犠牲を生み、国内の生存さえ本当に脅かすような大きな戦争が起こり、大幅な法人増税が起こるのだろうか?


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