バイロン・ウィーン:中間選挙の夏のアノマリー

Blackstone Advisory PartnersのByron R. Wien氏の7月のコメンタリーが早くも届いたので紹介しよう。
強気を維持しつつも、中間選挙の夏はパフォーマンスが悪化するアノマリーがあり、注意を喚起している。


私たちは現在の景気サイクルが少なくともあと数年は続くと確信している。
次の景気後退の始まりを示す兆候はまだ見えない。

ウィーン氏が米経済への強気の見方を継続した。
ファクトを見る限り、米経済はやはり好調だ。
ウィーン氏は多くの理由を挙げている:

  • 失業率は低くさらに下がりそう。
  • 賃金は上昇しているが急激ではない。
  • FRBは金融政策正常化を進めているが、実質FF金利はゼロ。
  • インフレ上昇は緩やか。
  • イールド・カーブは逆転していない。
  • 企業収益は拡大している。
  • 先行指数は上昇を続けている。

ウィーン氏は、これら強気を示す指標のいくつかが変化しない限り、米景気拡大は継続すると予想している。
確かに、これら結論に近い指標は強い。
しかし、一方で、世界経済や米政治、国際政治には不安要因も多い。
ウィーン氏は、これらに対する市場の織り込みが楽観に寄り過ぎているとして、短期的には用心が必要と書いている。

「現在、米国株市場はこれらすべてのマクロ経済的・地政学的イベントがいい形で解決されると仮定している。
これはやや非現実的だろう。
このため、年末までには企業収益がさらに株価を新高値に押し上げると予想するものの、今後数か月については慎重だ。」

ウィーン氏は7月以降、自身の強気見通しが試されることになると予想する。
今年のように米中間選挙のある年は米市場のパフォーマンスが悪化するという有名なアノマリーがあるからだ。

1962年まで遡ると、歴史的に市場は平均-18.9%ピークからボトムまで調整し、中間選挙を迎える。
7月は特に典型的に最もつらい月になる。
歴史が示すのは、7月は市場が利益を吐き出し、年初来でマイナスに転じる月ということだ。


理由は解明されていないが、現実にこのアノマリーが続いてきたとウィーン氏は強調する。
だから、夏の間が厳しくなることを半ば覚悟している。
それでも、年末までには回復すると楽観しており、S&P 500目標を3,000に据え置いている。

ウィーン氏は「ラジカル・ポートフォリオ」をわずかにいじっている。
欧州株への配分を従来の10%から5%にし、その分、現金を5%から10%に増やしている。
欧州リスクや米市場の押し目に備えようという趣旨だろう。

いつも明るいウィーン氏が、今月のコメンタリーではやや深刻なテーマを取り上げている。
次の景気後退時のシナリオだ。
伝統的にはFRBの利下げと連邦政府の財政刺激策が講じられるはずだが、今回はこれらに大きな期待ができないと書いている。
金融政策については、FF金利が現在インフレ調整後の実質ベースでゼロに過ぎない点を指摘する。

「現時点では、景気サイクルの終盤にあると思われるにもかかわらず、FF金利はまだ低く、1年後まで四半期ごとに利上げしたとしても3%未満である可能性がある。
そこから利下げしても、経済を盛り上げることにはならないだろう。
実質金利はまだ低く1%程度で、今のゼロからたいして違わないからだ。」

一方の財政政策はどうか。
現行の財政刺激策の前から米財政は厳しい状態にあり、財政刺激策がなくても社会保障負担で悪化が見込まれている。

「財政支出については、トランプ減税と雇用創出関連法は米財政赤字を7,000億ドルから1兆ドル(GDPの約5%)に増やすだろう。
これは平時として最大の規模だ。
共和党が支配する議会は、たとえ実質経済成長率が2%未満まで逆戻りしても、現水準から財政赤字を増やしたがらないだろう。」


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