米ドル

 

ジム・ポールセン:いい経済が市場にとっていいとは限らない

The Leuthold GroupのJim Paulsen氏が米市場の環境変化について説明している。
《いいことはよく悪いこともよい》という都合のいい時代は終わったと話している。


私たちは空前の企業収益の年を迎えたのに、株価は上昇していない。
良好な実体経済が、金融経済の状況を難しくしている。

ジム・ポールセン氏がCNBCで、米市場のダイナミクスの変化を端的に解説した。
一言で言えば、ゴルディロックスの終焉だ。

「状況が良すぎることが問題なんだ。
現在の株式相場が最高値をつけた時、実体経済は最善ではなかった。
経済にはたるみがあり、成長の伸びしろがあり、コスト圧力・金利上昇圧力・インフレ圧力も生じず、FRBは金融引き締めする必要がなかった。」

昨年まで、米経済はちょうどいいぬるま湯の状態だった。
景気や市場が下向いても、直にFRBが救済してくれると皆が信じており、それが景気や市場の下支えとなっていた。
景気が上向いても、まだ経済のたるみがあったから、供給制約で頭打ちになることがなかった。
市場はそれを見越して安心して上昇することができた。

経済のたるみがあるうちに市場は最高値を迎える。
結果として景気後退より市場下落が先行することになる。
ジェフリー・ガンドラック氏は今年1月の市場急落の直前にゴルディロックスの終わりを予想し言い当てている。
インフレ圧力への懸念が高まったあの瞬間こそ、まさにたるみがほとんどなくなったと皆が認識した瞬間だったのだろう。


年初を境に状況は大きく変化し、金融市場はゴルディロックスやぬるま湯とは完全に異なるロジックに支配されることになったとポールセン氏は言う。

「良好な経済成長はもはや金融資産にとっていいことではなく、いい面・悪い面のあることとなった。
企業収益を押し上げるものの、同時に金利上昇圧力・コスト圧力・利ざや圧力を増やす。
FRBはマネー・サプライと流動性の状況を制限しなければならない。」

中央回帰し循環する性質のある経済にとって、これらのことはある意味当然のことだ。
その当然のことを市場参加者は長らく忘れていた。
もしかしたら、金融機関にはこの当然のことを知らない世代も増えているかもしれない。

ポールセン氏は年後半について2つの観点から心配する。

  • 期待を集めてしまった世界経済が減速すると予想される。
  • 減速しても、米インフレの上昇はストップしないだろう。

ドル高ペースが緩やかで、コモディティ価格が上昇するようだと、インフレ上昇とそれによる利上げが米経済・市場の重荷になるとポールセン氏は心配する。

「成長鈍化は通年の利益予想に疑問を投げかけるだろうが、それでもFRBの利上げをストップさせたり、債券自警団による利回り押し上げをやめさせるのには十分ではない。
貿易戦争など他の大見出しより、こちらの方が大きな問題だ。」


 - 海外経済, 投資