ジェフリー・サックス:法王・総主教も言っている

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コロンビア大学のジェフリー・サックス教授は、政治・経済学・技術がムラの利益追求に明け暮れていると嘆いている。
技術知は足りており、それを社会に生かす実践知が必要と説いている。


私たちが直面している気候変動危機は幅広い危機の反映にすぎない: 世界的に手段と目的が混同されているのだ。
私たちが化石燃料を使い続けているのは、それが可能だから(=手段)であって、私たちにとってよいこと(=目的)だからではない。

良心の人 サックス教授がProject Syndicateで書いている。
ドランプ大統領が昨年6月、多くの反対を押し切ってパリ協定から離脱した時、教授はいつになく激しく怒りを露わにした。
その後も米国に限らず世界に感傷的な風潮が支配していく中、教授の悲観は増していく。


今日、世界のほとんどで、政治・経済学・技術の目的は堕落した。
政治は禁じ手なしの権力闘争、経済学は容赦ない富の奪い合い、そして技術は経済成長のための錬金術と見なされている。

なんと辛辣で悲観的な見方だろう。

そのよからぬ世界の中で、最近ある明るいニュースがあったとサックス教授が紹介している。
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王が主要石油・ガス企業のCEOと、東方正教会のバルトロメオス1世総主教が科学者や国連などと会談したのだ。
彼らは「政治・経済学・技術が権力・富・経済成長よりもっと大きな目標のために働くべき」と語ったという。

アリストテレスが2種類の知識を比較したことは有名だ: techne(技術知)とphronesis(実践知)だ。
科学者・技術者は化石燃料からゼロ炭素エネルギーへと急速に移行するための技術知を与えてくれた。
フランシスコ法王とバルトロメオス1世総主教は私たちに、再び政府と経済を公共の利益に向かわせるためのphronesis(実践知)を模索するよう促している。

不思議なことに、気候変動に無頓着だったり、利益誘導の政治を続ける指導者を支持する人には、敬虔なキリスト教徒が多い。
サックス教授が法王や総主教を持ち出すのもまた、教授流の実践知なのだろう。


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