ブラックロック

 

ブラックロック:テクノロジー株はバブルじゃない

資産運用の世界最大手BlackRockのRuss Koesterich氏が、米テクノロジー・セクターの株価について分析している。
収益とバリュエーションを検証し、さらにリスク要因にも言及している。


2010年初め以来、S&P 500のテクノロジー・セクター指数の直近12か月利益ベースのPERは約20%上昇した。
S&P 500指数の14%と比べても、わずかに速いだけだ。

Koesterich氏が自社のブログで書いている。
20と14の差が「わずか」であるかは主観の違いだろうが、とにかく同氏は差が小さいと言っている。
では、なぜテクノロジー株は市場全体を大きくアウトパフォームしたのか。

「テクノロジー株は今年も他のセクターを尻目に良好な結果を続けている。
しかし、そのパフォーマンスはいやな倍率上昇によるものではなく、主に良好な企業収益によるものだ。」

利益をともなう株価成長だからバブル的ではないと言いたいのだ。
さすがにこの見方を一面的と感じたのか、Koesterich氏は収益以外にもバリュエーションも合わせて3点を分析している。

  • 良好な収益: セクターのROEは市場全体より6%ポイント、長期メジアンより4%ポイント高い。
  • PERの歴史的比較: 現在のPER 23倍は、長期平均28倍より低く、長期メジアンと同程度。
  • PERのセクター比較: セクターの市場全体に対する相対PERは11%のプレミアム。
    バブルの年を除外しても、現在の相対PERは15年平均よりわずかに低い。

テクノロジー・セクターの成長性が趨勢的に低下する可能性を無視するなら、いずれの点もテクノロジー・セクターが割高でないとの主張を裏づける根拠となる。
しかし、この前提部分の可能性は完全には無視できないだろう。
Koesterich氏は、この点を別の表現で書き添えている。


明確にしておくが、すべてのテクノロジー企業は、自社よりわずかに賢いライバルとの競争に対して脆弱だ。

同セクターが過去と同様のPERを上げるためには、今後も過去と同様の利益成長を実現していかなければならない。
そのためには、今後も過去と同様に革新的な技術・製品・サービスを生み続け、かつ競合が高まらないことが条件となる。
Koesterich氏はリーマン危機前のスマートフォン市場を回想する。

「金融危機の直前、ノキアのスマートフォン市場でのシェアは約45%だった。
iPhoneは発売後1年でしかなく、Facebookはまだ学生寮から出るかどうかの時だった。
悲観主義者はこのことを、イノベーションのペースが加速しているためにテクノロジー・セクターのプレミアムが不確かである証であると考える。」

チャンスとリスクを並べた上で、Koesterich氏はテクノロジー・セクターに前向きな結論を出している。
なぜなら、ここで挙がったリスクは、同セクター以外にも当てはまる話だからだ。

テクノロジー・セクターであろうと他セクターであろうと、すべての会社は知らない競合やイノベーションからの不意打ちを受けやすい。
テクノロジー・セクターは今も結果を出している。
そこそこのプレミアムの価値はある。


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