JPモルガン:景気減速は2019年後半から

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JP Morgan Asset Managementが米景気の減速の時期を予想している。
その上で、短期なら米国株、長期なら外国株の検討を奨めている。


経済は2019年後半、2020年と減速するだろう。

JPモルガンのDavid Kelly氏がCNBCで2019年後半からの景気減速を予想した。
まだ1年以上先の話とは言え、具体的に景気減速(後退ではない)を予想しているところが注目だ。
JPモルガンはジェイミー・ダイモンCEOを始めとして強気の発言を続けている。
もっとも、同グループ内のバイ・サイド部門(資産運用部門)から慎重なスタンスが聞こえてくるのは自然と言えば自然だ。

ケリー氏も、足元の経済については極めて強い状態にあると解説する。
トランプ政権・共和党による景気拡大中の財政刺激策により経済は今「最大限に加速された状態」にあるという。
しかし、この効果もケリー氏は一時的なものと分析する。

「企業が今年どれだけ稼ぐかだけに目を奪われている。
(財政刺激策による良好な)企業収益は前倒しになっていることを理解しなければならない。」

ケリー氏は、株価が将来の企業収益の現在価値の総和である点を示唆する。
足元の収益がどんなによくても、それが一時的なものであれば意味がない。

確かに足元の米経済は絶好調だ。
失業率は歴史的低水準だし、ついにFRBの物価目標も達成された。
13日のFOMCでは予想どおり利上げが決定され、FOMCメンバーの年内利上げ予想もあと2回(合計年4回)と上方修正された。
声明では、従来からの《金利を低水準にとどめる》との文言が削除された。
来年からは、毎回のFOMCにおいて議長が会見を行うこととなった。


これらはFRBがデータ次第では中立金利を超えるような水準まで利上げを行う可能性を示唆している。
その主たる要因はインフレ退治ではあるまい。
インフレ上昇には幸いいまだに力がなく、昂進を心配するような状況ではない。
むしろ、恐れるべきは米経済の過熱感であろう。
本来なら景気後退までとっておいてもよかった財政政策を、善は急げと投入してしまった。
良好な経済に大規模な財政政策をかぶせてしまった。
FRBはこれを冷やしにかかったのであろうし、同時に金融政策正常化の好機ととらえているのだろう。

ケリー氏は、金融政策を早期に中立的に戻したいとするFRBの意図を理解しながら、心配も漏らしている。

「FRBにはあまり積極的になってほしくない。
金融政策が実際に効果を及ぼすのにはタイム・ラグがあるからだ。」

ケリー氏は、今でこそ米経済が好調であるものの、じきに外国経済に追い抜かれると予想する。
結果、今後数年、外国株が米国株をアウトパフォームするだろうと予想する。
ケリー氏は目下、米国株と外国株を同ウェイトにしていると明かし、その上でスタイル別にどう投資すべきかを話している。

短期売買の投資家

「もしも私が短期的な勝負をしかけるなら、米国株をオーバーウェイトするだろう。」
景気サイクル終期の米市場のダイナミクスに賭けるなら、それが近づきつつある米市場に賭けるべきという話だろう。

長期売買の投資家

長期で見るなら、外国株をもう少しオーバーウェイトしたい。
長期で見れば、外国は米国より、経済も企業収益も速く成長するだろう。


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