ガンドラック:金融・財政の自爆作戦

新債券王ジェフリー・ガンドラック氏がウェブキャストで景気とコモディティ、新興国市場についてコメントした。
米景気が2019-20年に後退期入りする可能性が否定できないという。


「もしもまだ新興国市場の債券・ハイイールド債に投資していないなら、ドルとバリュエーションの水準に応じて少なくとも部分的なシフトを検討する絶好のチャンスだ。」

ガンドラック氏がReuters 1)で語った。
世界の投資家の疑心暗鬼で動揺が止まない新興国市場において、ドル建て債券への投資チャンスがやってきているという。
この背景にはオーバーシュートの可能性だけでなく、コモディティへの強気があるのだろう。
そして、コモディティ強気の背景には、景気サイクルとドル相場が隠れている。

「景気サイクル終期にこの水準の債務拡大が起こるのはほとんど前例がない。」2) Bloomberg

景気サイクル終期、経済は過熱し、インフレの上昇が始まる。
経済が過熱するほど好調でインフレの心配が出始めたところでは、普通、財政刺激策は採らない。
それが今、現実に起こっている。
ガンドラック氏は足元の金融・財政政策の組み合わせを「愚か」とこき下ろしている。

FRBが今やっているのは自爆作戦のようなものだ。
米国は利上げをしながら財政赤字を拡大している。


この愚かな政策ミックスのために米ドルが下落するとガンドラック氏は予想する。1)
ドル安は言うまでもなく(米ドル建てでの)コモディティ高を誘発しやすい。
このところ落ち着いたように見える原油価格について、ガンドラック氏は依然として80-90ドルへの上昇を予想している。
また、金など他のコモディティに対しても強気だ。
景気サイクル終期のコモディティ高という経験則を今のところ信じ続けている。

愚かな政策ミックスは金利を上昇させるだろう。
財政刺激策は(クラウディング・アウトというほどでなくとも)実質金利を高め、財政悪化は財政インフレを引き起こす。
FRBがバランスシート縮小により流動性を吸収すれば、さらにマネーの値段(=金利)は上がってしまう。

ガンドラック氏は、米10年債利回りが2020-21年までに6%を目指すペースにあると指摘した。2)
今のところ、低位にある独10年債利回りが米利回りを引きとどめているのだという。
逆に言えば、ECBが正常化を始めたり、欧州でインフレや資金需給タイト化が起こったりすれば、米金利の足かせは外れる。
実質金利上昇には明るい面もあるものの、名目金利の上昇は米経済の首を締めるだろう。

ガンドラック氏は、今後6-12か月のうちに米景気後退が訪れる様子はないと指摘する。
ただし、世界経済の成長鈍化は始まっているとし、米景気も2020年までに後退期に入る可能性があると予想した。


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