ブラックストーン:データは変わったが・・・

米Blackstoneが、債券の趨勢的弱気相場入りと投資家にとっての最大のリスクを指摘している。
投資家は市場データの大きな変化についていけていないのだという。


多くのフィクスト・インカムETFが用いる指数のデュレーションが長期化する中で、投資家はより多くのデュレーション・リスクをおそらく意図しないままに取っている。
・・・投資家にとっての最大のリスクは、データが変わったことを認識していないことだ。
歴史は、債券利回りが上昇することを証明している。

ブラックストーンのJoe Zidle氏が顧客向けレポートで警告している。
金融市場はインデックス・ファンドという偉大な金融商品を発明し、投資のプロ以外にも大きく門戸を開いた。
市場を反映する指数をなぞることで、何も調べず考えない投資家にも市場に負けにくい状況を提供した。

こうした投資家は指数の中身がどうなっているかに興味があるはずがない。
しかし、実際には指数の中には時間とともに当然に性質を変化させるものも多い。
Zidle氏はBloomberg Barclays Aggregate Bond Indexを例に挙げる。
この指数のデュレーションは2016年には4.4年だったが、今年5月では6.3年まで上昇している。
ざっくりした話をすれば、デュレーションとは金利が1%上昇したときに債券価格が下落するパーセンテージだ。
つまり、この2年間で、同指数は金利に対する脆弱度が(金利1%上昇あたり)2%ポイントも上昇したわけだ。
投資家が金利上昇を含むリスクからの回避のために同指数に連動するファンドを買ったとするなら、この変化は心外だろう。
しかし、ほとんどの投資家はこうした数字に気づいていないのかもしれない。


Zidle氏は、こうした不都合が起こる原因を短期・中期的な要因ではなく、もっと長期・超長期の趨勢的な要因に求めている。
1982年に始まった債券の強気相場(=金利低下局面)は2016年に終わった可能性が高いという。

インフレの記憶

「34年前の1982年、当時のFRB議長ポール・ボルカーはFRBの全力をあげてインフレと戦っていた。
10年債利回りと消費者物価指数はいずれも約15%だった。」

以降、山あり谷ありではあったが、超長期にわたって米金利は低下した。
これは債券投資にインカム・ゲインだけでなく、比較的安定したキャピタル・ゲインをもたらした。
株式にしても同じことだ。
金利低下はトップラインには黄信号でも、ボトムラインには青信号だ。
それに加えて、ボトムラインを割り引く資本コストはどんどん低下していった。

米10年債利回り
米10年債利回り

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