ジム・チャノス:デジタルとファックス

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Kynikos AssociatesのJim Chanos氏が、ビットコインに辛口の評価を下している。
とりわけ社会の大混乱時の有用性について疑問を呈した。


「新たなビットコインや仮想通貨への熱狂では、自分たちの法定通貨を作ることで(既存の)法定通貨から離れないといけないという考えがある。
自分たちの法定通貨では最後の貸し手もいないし、中立的裁定者もいない。」

チャノス氏がNew Economic Thinkingのインタビューでビットコインを支える物語に言及した。
各国の中央銀行が野放図な通貨発行を続ける中、そうしたことの起こらない規律ある通貨が必要というものだ。
そうした通貨が実現すれば、時として理不尽な政府の収奪からも逃れられるかもしれない。
しかし、こうした自由・自治の物語は反面、個々人が自ら問題に当たらなければいけないことを意味する。

「次の終末で(仮想通貨が)価値の保存手段として働くと考える人たちは、指紋や網膜などたくさんのセキュリティーで自分のキーを守らないといけない。
クラッカーが盗もうと群れを成してやってくるだろう。」

政府と無関係の通貨だからこそ政府が守るにも限界がある。

チャノス氏の仮想通貨評は厳しい。
国破れても仮想通貨が残るとの夢物語についてもシニカルな反応だ。


「ワースト・ケースのためにデジタル通貨を保有する必要があると信じている人たちにとって、(ワースト・ケースは)デジタル通貨がもっとも機能しないケースなんだ。
・・・法定通貨が世界を崩壊させるという場合、もちろんそれは起こりうるが、電力網が落ちる可能性があるなら、ビットコインは持っていたくない。」

チャノス氏は、社会の大混乱に備えるなら、食料を備蓄するのが一番いいと話している。
仮想通貨は電力・通信インフラのトラブルに対して脆弱だ。
しかし、トラブルがなくとも実はさほど便利なものではないようだ。
チャノス氏はある仮想通貨マニアのブログを紹介した。
彼は、取引のある仮想通貨取引所にビットコインを米ドルに換えて米銀に送ってほしいと頼んだという。

「8-10日もかかり、追ってたくさんの手続き・電話が必要だった。
一番面白かった部分は、彼がパスポートの写しをリトアニアにファックスしなきゃいけなかったというところだ。」

チャノス氏は特に、東欧にファックスしなければいけないというところに驚いたという。
パスポートをファックスするとは、仮想通貨の目指す方向と真逆のように感じられたからだ。
チャノス氏は結論する。

(仮想通貨は)金融政策におけるテクノロジーによるブレークスルーという名を借りた証券投機ゲームにすぎない。


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