ジム・チャノス:景気・金融サイクルと詐欺・不正

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Kynikos AssociatesのJim Chanos氏が、金融詐欺や企業の不正に注意するよう奨めている。
詐欺や不正は景気・金融サイクルとの間に密接な関係があるのだという。


「私は調査し講義する中で、私が『騙しのサイクル』と呼ぶものを見つけた。
現代(過去500年)の金融市場において、様々なやり方・会社による大規模な金融詐欺の例が、金融サイクルに遅れて起こってきた。
これが意味するのは、景気、特に金融市場が改善するにつれ、直前の下降期に生じることの多い人々の不信感・警戒心が消え始めるということだ。
以前はうますぎるとされていた話が受け入れられるようになるんだ。」

チャノス氏がNew Economic Thinkingのインタビューで答えた。
エンロンの不正会計にいち早く気づき破綻に賭けて的中させた同氏は、投資家を騙す経営者・詐欺師の手口に精通している。
世間が景気サイクルへの関心を高めている今、チャノス氏は金融詐欺と景気・金融サイクルの経験則を解説している。

「サイクルが長いほど、嘘つきや詐欺師は商売をしやすくなる。
財務的にありえないことを信じる人が出てくるからだ。
サイクルが進むにつれ、詐欺の事例が増えていく。」


2000年のドットコム・バブル、2007年の住宅バブルが例として挙げられている。
これらの時期、サイクルが成熟しバブルが成長するにしたがい詐欺が発生・拡大していったという。
しかし、その時にはまだ多くの詐欺は水面下で拡大を続けている。
詐欺が明るみに出るのは概して金融サイクルが低下した後だという。
なぜか。

「今そうしたものに流入するニュー・マネーが枯渇しようとしている。
多くの詐欺はその本質においてポンジ・スキームであり、ポンジ・スキームは既存の投資家への支払いのために新たなマネーと投資家を必要とするものだ。
投資家が資金を引き出そうとする時、企みの行き詰まりが露呈する。」

チャノス氏は学生に、景気・金融サイクルをよく観察し、長く続く場合は警戒するよう教えているのだという。
投資に浮かれてはいないか?
安易にリスクをとってはいないか?
人の話を丸のみにしてはいないか?
今まさに景気・金融サイクルは熟しつつあるように見える。
見えないところで詐欺師が跋扈しているかもしれないし、いくつかの企業は不正に手を染めているかもしれない。

「強気相場入りして9年、1990年代と同じだ。
そろそろ露呈し始まる頃だ。
ビットコインとICOはその1つの現れだろう。」


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