ジョン・ウィリアムズ:利上げは2年続けるが・・・

サンフランシスコ連銀John Williams総裁が、今後2年間の緩やかな利上げ継続を示唆した。
ところが、これは本人の主張してきた中立金利の議論と相反するように見えるから奇妙だ。


「労働市場の強さを前提とすれば、経済成長のモメンタムは堅調だ。
インフレのデータは物価目標の極めて近くにある。
今後2年、緩やかな利上げという現状の政策を継続すべきだ。」

ウィリアムズ総裁がReutersに語った。
月内にニューヨーク連銀総裁への転出が決まっているウィリアムズ総裁が今後2年間の利上げを示唆している。
ニューヨーク連銀総裁はFOMCで常に投票権を持つ重要ポストであり、ニューヨーク連銀はFRBのオペを実施する重要連銀だ。

6月のFOMCでは現在1.50-1.75%のFF金利誘導目標を0.25%引き上げ1.75-2.00%とするものと予想される。
今後2年間利上げが続くとすれば、FF金利は3%、あるいはそれを超える可能性が高い。
しかし、このシナリオは、ウィリアムズ総裁が主張してきた中立金利の低下によって阻まれてしまうかもしれない。
実際、総裁は米経済の中立金利を2.5%程度と推測している。
FF金利がこの水準を超えてしまうと、米経済にはブレーキがかかり始める。


「FRBが長期トレンドを超える経済成長を刺激しようとしているとの考えは、中立金利に接近してしまえば、金融政策にとって適切な文脈ではなくなる。」

政策金利が中立金利を超えてしまえば、もはや金融環境が緩和的とは言えなくなる。
どこに中立金利があるかは金融政策にとって重要な前提条件だ。
ただし、中立金利そのものを正確に測定するのは難しい。

一方で、ウィリアムズ総裁によれば、金融が緩和的か引き締め的かは、インフレの動向を見ればわかるという。
今後インフレが物価目標をオーバーシュートしていくなら、それは緩和的だった傍証になる。
仮に大きなオーバーシュートがないなら、すでに中立金利かそれを超える水準にあることを示唆する。
ウィリアムズ総裁は以前から、物価目標のオーバーシュートを許容すべきとの考えを示している。

これまでのところ、FRBの金融政策正常化は順調だ。
これにはトランプ政権・共和党が講じた大規模財政政策が効いており、足元の米景気は強い。
一方で、トランプ政権が仕掛ける貿易摩擦は米経済にとっても大きなリスクだ。
ウィリアムズ総裁は、これら要因を「ざっくり言って、行って来い」と評し、今後の利上げについてこう表現する。

「いずれにせよ引き続き『緩やかに』でないといけない。」

また、FRBがリーマン危機後、市場を誘導するため徹底してきたフォワード・ガイダンスについては、今後は軽減していくと話した。


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