ジェレミー・シーゲル、永遠のブルの弱気

ウォートンの魔術師Jeremy Siegel教授が、米国株市場の先行きの見方について丁寧に解説している。
《永遠のブル》と呼ばれてきた教授が終始慎重な見方を織り交ぜている。


イタリア(不安)は(市場が)大騒ぎしすぎだ。
市場への大きな脅威にはならない。
私は今でも市場にとっての大きな脅威は今後の金利上昇だと考えている。

シーゲル教授がCNBCで米市場の読み方を説明し、依然として慎重姿勢であると話した。
仮にイタリアがEUを離れるとなれば、独自の通貨はかつてのリラのように不安定になることが予想されるため、結局はイタリアがそれを望まないはずと分析した。
イタリアが大きな材料にならないなら、やはり注目点は米金利動向となるが、市場はこの点でやや楽観的すぎるという。

「あまりにも多くの人がFOMC議事録をハト派的なものと受け取ってしまった。
今では私は少数派だが、私はFRB利上げが年内にあと3回(合計4回)あると考えている。」

イタリアの混乱は株価を押し下げ、金利を低下させた。
市場は急速に年内利上げの織り込みを残り2回(合計3回)に減らしたが、シーゲル教授は異なる見方をしている。
強い労働市場を背景とした金融政策の動向が、イタリア不安で大きく変化するとは考えにくいからだ。


シーゲル教授は、金利の他にも重要なファクターがあるという。
トランプ大統領がかき回す貿易摩擦だ。
教授はこの要因を「ワイルド・カード」と呼び、「注意しろ」との方針で臨むべきと話している。
ただし、この要因はダウンサイドだけではない。

「トランプはいつもどちらにも転びうる不確実性を生み出す。
いい面は、プロ・ビジネス、プロ・減税、低・規制。
市場にとっては重要なことだ。」

シーゲル教授は、今年のS&P 500の上げ幅を5%程度と推測している。
引き続き利上げが進むだけでなく、11月6日には中間選挙という政治イベントがあり、昨年までのような大幅な上昇は見込めないという。
教授は、下馬評通り民主党が下院で過半数をとれば、不確実性が増すと心配する。
下院は大統領の弾劾を発議できる重要な議院である。

一方で、企業収益については引き続き改善が期待される。
シーゲル教授は、足元で目覚ましい改善が期待できるとする一方、その持続性について注意を喚起した。

企業収益がすばらしい年になるのは議論の余地がない。
しかし、減税は効果が手前で大きく効く。
設備投資の償却は2018年に(一括で)行われ、2019年にはそれほど効かなくなる。


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