ブラックロック

 

ブラックロック:米イールド・カーブは心配無用

資産運用の世界最大手BlackRockのRichard Turnill氏が、米イールド・カーブの形状について解説している。
長短金利の上昇要因を解読し、どこに賭けるべきかを説いている。


「米金利上昇とイールド・カーブのフラット化が景気後退リスクの心配を植えつけている。
特に、イールド・カーブの逆ざや化(しばしば不況の先行指標となる)の懸念が、短期金利上昇により高まっている。」

ターニル氏が自社ブログで市場の心配事を端的に紹介している。
イールド・カーブの逆ざや化が景気後退の兆しであるのはよく知られた話だ。
さらに景気後退の直前に株価、次にコモディティが上昇することも知られた話だ。
だから、皆の注目がイールド・カーブに集まっている。
しかし、ターニル氏は、今回のイールド・カーブのフラット化・逆ざや化が過去の景気サイクルとは異なると主張し、3つの理由を挙げている。

  • 今回のフラット化は、各国量的緩和政策で意図された結果であること。
  • 世界の金融市場はつながっており、長期金利の低い日欧の投資家が米長期国債を購入することで米長期金利が押し下げられていること。
  • 米短期国債の増発が短期金利上昇につながっていること。

ターニル氏の見方は、概してゴルディロックス継続とでも言うべきものだ。
米長期金利が上昇するとしても、その程度は限定的と予想する。


「長期的な経済成長が緩慢なため、イールド・カーブは全体にわたって歴史的低水準にとどまるだろうと予想する。
特に長期側の利回りについて世界で積み上がる貯蓄が示唆するのは、米国債について考えられている安全性に対し投資家が依然としてプレミアムを支払っているということだ。
これが利回り低下の助けになっている。」

長期金利の上昇が限定的とすれば、短期金利の動向がイールド・カーブの勾配を決めることになる。
米国では2%物価目標が達成されているが、さらに昂進する気配は見えない。
インフレの安定は、FRB利上げが行き過ぎるリスクを抑制する。
ターニル氏は、短期金利上昇の背景をこう分析する。

「短期金利の上昇の多くは経済成長とインフレの見通しへの自信を反映しており、市場がさらなる利上げを織り込む中で、自然ななりゆきと言える。」

経済・インフレへの強気は株価や企業収益にも表れているという。
ターニル氏は、イールド・カーブがフラット化する中で景気敏感株がディフェンシブ株をアウトパフォームしてきた点を指摘する。
これは、景気拡大がまだ力強いことへの自信を示しているという。

緩やかな金利上昇の中、どこに投資すべきか。
金利上昇の主たる要因を思い出せば明らかだ。

高成長・インフレ期待の修正は過去のものであり、短期金利に効いている。
構造的な要因が長期的な利回り水準に蓋をする。
わが社では、イールド・カーブの短期側のリスク-リターンが良好であると考えており、イールド・カーブの逆ざや化は予想していない。


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