ロバート・シラー:バランスをとれ

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資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、米国株市場の市場心理を解説している。
その上で、米国株へのエクスポージャーを再点検するよう奨めている。


「学者として(相場の先行きを)予想するのは容易でないと考えている。
また、長い期間のトレンドを見ても(米国株市場は)良好なパフォーマンスを上げてきた。
一方で、少し心配な点もある。」

Robert Shiller on valuations, Europe turmoil and bitcoin from CNBC.

シラー教授がCNBCで語った。
教授は米市場について楽観と悲観の中間点に立っているように聞こえる。
最大の心配事はやはり米株価の割高感だ。
もう何年も多くの人から繰り返し指摘されており、多くの人がリスクと考えている点でもある。

米市場のシラーCAPEレシオ
米市場のシラーCAPEレシオ


米市場のCAPEレシオはやや足踏みしているとは言え、大恐慌の頃と同程度、ドットコム・バブル時の史上最高値を試す可能性さえ残っている。
米市場の高値が続く理由について、シラー教授は「トランプ感情」ともいうべき市場の楽観を挙げている。
効率的市場仮説に基づけば、トランプ大統領が選挙に勝った時にすべてを市場は織り込むはずだった。
しかし、実際の市場はじりじりと緩やかな上昇トレンドを示している。

「もっと心理的なものなのだろう。
世界が大統領に反応していくようなことがあるのだろう。
大統領の自信に関係する何かが、みんなの気持ちをゆっくり持ち上げているのだろう。」

シラー教授によれば、今のところトランプ効果が変化すると考える理由はないという。
しかし、同時にこうした効果は持続性の高いものでもないという。
教授は、1-2月の株式市場の調整が特段大きなニュースもなく始まり、特段大きな材料もなく終わった点を挙げ、市場の先行きの予想の難しさを説いた。
そして、イタリア不安を契機に再び市場心理が迷走を始めた。

「投資家は自身のナラティブ(物語)、自身の力学を構築しようとしている。
明らかに重要だとは言い切れないニュースで市場が今日(29日)下落したことで、投資家は考え込み、心配を始めた。
これは継続しうる。」

シラー教授は、市場の先行きを予想することはできないと強調する。
だから、投資家がとるべき道は分散投資になる。

もしもポートフォリオの米国へのエクスポージャーが過大なら、今こそ考え直す時だ。
引き上げてはいけない。
バランスをとるんだ。

下がるかどうかわからないのと同じように、上がるかどうかもわからない。
上がった場合にリターンを取り漏れないよう、投資を引き上げてはいけないと言う。
シラー教授は、ウェイト増を検討しうる資産クラスとして欧州株を挙げた。

「欧州は問題を抱えている。
今日(29日)ニュースでイタリアの問題が報道された。
一方で欧州市場は米市場より安い。」


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