ゴールドマン:HFTがフラッシュ・クラッシュを

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オスカー・ワイルドは、皮肉屋のことを「あらゆるものの価格を知っているが、何の価値も知らない」と語った。
ゴールドマン・サックスは、高頻度トレーダー(HFT)こそ、その形容に合致すると指摘している。


「理由のわからないショックが突然の価格下落をもたらすと、HFTはショックがファンダメンタルズのニュース(例えば複雑なマクロ経済のサプライズや政策発表)によるものと仮定するかもしれない。
そうした環境では、HFTは、よりファンダメンタルズを知るトレーダーよりも逆選択のリスクが高まるかもしれない。
結果、その最適な対応は、遠い指値しか置かないか、注文を止めてしまい、流動性を引き上げてしまうことになる。」


ゴールドマンがHFTの危険性を指摘したとBloombergが伝えている。
非常事態に安全策をとるようプログラムされたHFTが、不意の市場下落を引き金にフラッシュ・クラッシュを引き起こしかねないとの指摘だ。
金融市場において、わからないことはリスクだ。
だからそのリスクに対し、HFTがデリスクで対応するようプログラムされることは至極理に適っている。
しかし、それが市場全体の下落を促進しかねない。
しかも、こうしたHFTが複数あれば、それは互いに下落の勢いを強め合う構図になる。

「新しい市場構造の脆弱性は、過小評価されている。
単純に、今回の長い景気拡大局面でストレス・テストをまだ受けていないためだ。
私たちは金融イノベーションの速すぎる進展とリーマン危機後のHFTの市場流動性への寄与のシェアを快くなく感じている。」

もっともこうした危機感は今始まったものではない。
バブル崩壊が起こるたびに、機械取引、ポートフォリオ・インシュランス等々、少しずつ姿を変えて犯人説が唱えられる。
HFTもその1つだし、金融商品の側でいうならETFも犯人にされそうな雲行きだ。
では、なぜ今か。
もちろん、犯人探しが近く行われるかもしれないと考えるからだろう。


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