ピーター・シフ:FRBが早く利上げをやめるワケ

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、5月のFOMC議事録についてコメントした。
FRBの利上げプロセスが予想以上に早く終わる可能性を提示し、その原因を指摘している。

「声明には、FRBメンバーは速やかな利上げまたは緩和解除が適切と考えているとある。
・・・みんな、これを来月6月と解釈している。」


シフ氏がボッドキャストで、FRBの本気度を疑っている。
市場が思うほどにはFRB利上げが急ピッチに進まない可能性があるという。
FRBは物価目標を上下に「対照的な」目標と説明しており、しばらくインフレのオーバーシュートを許容すると予想するからだ。

「FRBは、どんなにインフレが昂進しても積極的に利上げしないための言い訳を探し続けることになるだろう。
・・・FRBは、インフレ退治において自分たちが無能であることを市場に知られたくないはずだ。」

シフ氏は、インフレのオーバーシュートを許容した結果、インフレが制御できなくなると予想する。
これは金や外貨投資を顧客に奨めるシフ氏の本業の一環でもある。


シフ氏は、政策金利が中立金利に近づいているとFRBが言い始めた点にも触れる。
FRBは、利上げサイクルがさほど長くは続かない可能性について市場にサインを送っている。
市場は、その可能性に気づき始めているという。

「市場は今年あと2-3回の利上げを予想している。
しかし、それで終わりになるかもしれないと考え始めている。」

シフ氏は、今回のFF金利のピークが2.5%程度にとどまるかもしれないとし、その異常性を指摘する。

「かつてそんな低い水準で利上げをやめたことはない。
2000年、2008年の直前ではやめるまで5%超まで利上げしている。
どうして今回は2.5%なんだ。」

シフ氏はこの不思議な現象について、他の人より遠目にみた解釈を与えている。
多くの人は、それ以上利上げすれば景気をオーバーキルしてしまうからと考えている。
しかし、それは現象面だけを見た近視眼的な解釈にすぎない。
なにしろ、インフレは曲がりなりにも2%目標を超えている。

「理由は明らかだ。
米国は過去よりはるかに大きな債務を抱え、経済にかかるレバレッジが高まっているため、5%に耐えられないんだ。
たぶん2.5%なら耐えられるとみんな思っているのだろうが、現実にはそれも耐えられない。」

シフ氏は「市場がその結論に至るまでにはしばらく時間がかかる」としながらも、新たな危機の到来を確信している。


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