ソーシャル・メディアがもたらす結末

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フィクスト・インカム分野のコンサルタント/コメンテーターJames Bianco氏が、ソーシャル・メディアと経済統計の関係について論じている。
ソーシャル・メディアが「金融・経済ニュース」を氾濫させた結果、サーベイ・データに楽観バイアスがかかるようになっているという。


経済は《B-》程度だ。
みんながサーベイ・データに基づいて考えているほど経済は絶好調ではない。

ビアンコ氏がCNBCで、市場の楽観に危機感を示した。
ソーシャル・メディアがサーベイ回答者の回答にバイアスを植えつけているという。
楽観的なニュースがソーシャル・メディアで増幅され、いわゆるバンドワゴン効果を及ぼし、多くのエコノミストが本当は「B-」の先進国経済に「A+」をつけているという。

「私たちはGoogleに本音を話している。
失業すれば(ブラウザで)『失業した』と入力する。
検索が行われ、私がB-と言った経済の実体が理解できるはずだ。」

金融・経済のニュースにバイアスがかかっているのは今に始まったことではない。
伝統的ニュース・メディアにエコノミストとして優れた記者が潤沢にいるわけではない。
彼らが取材する対象も、立派な看板を背負ってエコノミスト、ストラテジスト、アナリストなどと名乗っていながら、その実、名ばかりの輩も少なくない。
中には、他ソースからの剽窃などで日々やりくりしている者もいる。
そもそも、例えばセル・サイドであれば、その見方には系統的に楽観バイアスがかかっていると覚悟すべきだ。


そこに、SNSやソーシャル・メディアが登場した。
ニュースの読者には、自分の好きなニュース、自分に有利なニュースを読みたがる傾向が明確に存在する。
そして、概して市場参加者は景気のいい話を好む。
ビアンコ氏は市場参加者の行動を皮肉る。

「誰かが『経済についてどう思う?』と尋ねた時、それは文字通りの意味ではない。
『経済についてどんな記事を読んだ?』の意味だ。」

ただし、ここまではしょせん市場参加者についての話だ。
彼らが真実を見誤って痛い目に遭おうが、自己責任というものだろう。
ビアンコ氏の心配は別のところにある。

「FRBなどのエコノミストは言うだろう。
『おお、このデータを見ろ、思っていたよりもいい。
利上げを加速しなければ。』」

FRBがバイアスのかかった先行指標に基づいて利上げを急ぎ過ぎるのではないか。
結果、経済をオーバーキルしてしまうのではないか。
ビアンコ氏の米国債利回り予想は不気味なものだ。
来年末の10年債利回り、FF金利共に3%程度を予想している。
つまり、イールド・カーブの逆ざや化が一触即発の状況になるという。


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