ダリオ『Principles』アニメ 8/8 もがけ

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Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が8日公開した『Principles』アニメ版のハイライトを紹介する。
今回は全8回の第8回「もがけ」


私は彼らが私と似た人生を送っていることを知った。
あなたは知らないかもしれないが、彼らはみなもがいていた。
彼らはみな弱点を持っていて、彼らが見逃すかもしれないリスクとチャンスに気づいている人たちと一緒に働くことで弱点を補っていた。

すぐれた人材と共にチーム・プレイを始めたダリオ氏は、このやり方こそ最善の意思決定の道だと確信する。
それと同時に、すぐれた同僚たちにもあまねく弱点があることを知った。
いい仕事をするために水面下では常にもがいているのを知った。
それをチーム・プレーによって見えなくしていたのだ。
ダリオ氏は、人の強みと弱みについてある重要な点に気づく。

「ほとんどの人の最大の強みは同時に彼らの大きな弱みにつながっている。
そして、大きな目標のために一生懸命もがくことは、痛みをともなう転落につながる。」

目標のための努力が転落につながるとは、なんと残酷なことか。
神ではあるまいが、何かが大志を抱く人々に試練を与えている。
ダリオ氏は、この試練を人材のふるい分けのプロセスと考えている。

「ある人は必死に後退の原因を考え、教訓を学び、目標に向かって進歩を続ける。
他の人は、このゲームが自分のゲームではないと考え、フィールドを去る。」

大志を抱く人は、先がたとえいばらの道でも決してあきらめない。
目標に対してさほど強い気持ちのない人は、さっさと道を変えてしまう。
これは個々人の選択の問題だ。

ダリオ氏は、自らもがき苦しむうちに、成功の定義を変えていく。

「私は、成功とは目標を達成できるかどうかではないと理解するようになった。
・・・
私たちが努力する目標は単なるエサにすぎない。
それを達成するためにもがくことで私たちは進化する。
そして、他の人とともに個人の進化に向けてもがくことこそが報酬なのだ。」


目標が高ければ高いほど、そこへ至る道のりは険しくなる。
頭が良ければ良いほど、そこに至る確率が低いことを予見してしまう。
しかし、だからといってあきらめてしまえば、その時点で確率はゼロになる。
だから、壮大な目標を掲げる時は、目標の可否を判断基準にしてはいけない。
大きな成功とはしょせん確率現象だ。
だから、そこに至るプロセスを重視しないと壮大な目標はエサにもならなくなってしまう。
こうしてダリオ氏の求める成功は大きく変化した。

「私はもはやジャングルを突っ切りたいとは思わない。
かわりに、共に旅をする優れた人たちに囲まれ、より大きなチャレンジを見つけたいと考えている。
やがて、私にとって大切なのは私自身の成功より、ミッションの成功と私とともにいる人々の幸福となった。」

少々きれいすぎる感がなくはないが、至極健全な考え方だ。
孤高の天才が、ブリッジウォーターを個人商店から史上最強のプロ集団へと進化させたのだ。

このプリンシプルズがどこから来たかは忘れなさい。

ダリオ氏は言う。
結局のところ、人々の人生は自分で決めなければならない。
だから、ダリオ氏はこのプリンシプルズをそのまま採用してほしいとは考えていない。
個々人の状況やニーズに合わせて改良して用いるべきという。
ただ、1つ共通することがあり、ダリオ氏はそれを視聴者に語りかけている。

私の唯一の願いは、あなたがあなたの人生を最高にすばらしいものとするため、もがき進化する勇気を持つことだ。

レイ・ダリオ『Principles』アニメ版 全8回のポイント
1) 冒険へのいざない  2) 現実を受け入れ対処せよ  3) 5段階プロセス  4) 奈落の底  5) すべては機械  6) ふたつの大きな壁  7) 徹底的に開かれた心  8) もがけ  
 
(参考)600ページの原著は
楽天ブックスで: Principles: Life and Work PRINCIPLES [ Ray Dalio ]
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