ゴールドマン:ハイイールド債が示すもの

米ゴールドマン・サックスがジャンク債市場の過熱を警告している。
株式市場の先行指標として用いられることもあるだけに要注意だ。


ハイイールド・スプレッドに現状織り込まれているプレミアムは、債務不履行による損失が不況のような水準まで上昇しなくても、ミスプライスだ。
エネルギー・セクターは別として、引き続き、現水準ではCCC格債券にはほとんど見るべきものがない。

ゴールドマンのクレジット・リサーチをBloombergが伝えている。
確かに、ハイイールド・スプレッド(ハイイールド債と米国債の利回り差)は足元で縮小している。
BofAMLの指数によれば、同スプレッドは700 bpを割り込んでいる。

ICE BofAML US High Yield CCC or Below Option-Adjusted Spread
 ICE BofAML US High Yield CCC or Below Option-Adjusted Spread

ゴールドマンは、クレジット・リスク・プレミアム(CRP)と称する指標でクレジットのリスク・リターンを検証している。
これは、ハイイールド・スプレッドから将来の期待デフォルト損失を差し引いたものだ。
つまり、デフォルト・リスク調整後のクレジット・スプレッドだ。
同社はCRPをこう解説している。


「一言で言えば、CRPは、5年間にわたって分散したクレジットのポートフォリオをバイ・アンド・ホールドした場合の期待超過リターンだ。
言い換えれば、CRPは、将来の債務不履行の損失への対価として投資家が得ることのできる超過プレミアムだ。」

そのCRPがマイナスになっているというのだ。
しかも、今後5年間不況が起こらないという「かなり楽観的な仮定」のもと計算しても、CRPはマイナス53 bpなのだという。
5年間不況が起こらないというのは、景気サイクルにおける中期または前期にあたる。
一方、現在は終期に近いとの指摘がもっぱらだ。
かなり楽観的な仮定をおいても、現在のCCC格債券の信用リスクはリターンを与えてくれないばかりか、53bpものロスにつながると期待されているのだ。

ハイイールド・スプレッド(青、左)と米株価(赤、右)
ハイイールド・スプレッド(青、左)と米株価(赤、右)

BofAMLの指数が700を割り込んだのは2014年半ば以来。
当時、米国株市場は一本調子で上昇していた。

その前と言えば、リーマン危機の前になる。
2007年初めに500を割り込んだ時期があった。
この時期は、サブプライム/リーマン危機前の最後のひと上げの時期であった。


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