ガンドラック:ドル安、コモディティ高、インフレ上昇

新債券王ことDoubleline CapitalのJeffrey Gundlach氏がインフレ、ドル相場、コモディティ、ビットコインについて語っている。
米ドル相場は一時的上昇を終え、下落に向かうという。


(インフレは)静かに上昇しており(8月に発表される)7月の消費者物価指数は循環的な理由で3%に達するだろう。

ガンドラック氏がインフレ上昇を予想したとThinkAdvisorが伝えた。
原油をはじめとするコモディティ高により、総合指数が上昇するとの見方のようだ。

米CPI総合(青)とコア指数(赤)
米CPI総合(青)とコア指数(赤)

ガンドラック氏は、物価の背中を押すコモディティ高がまだ続くと見ている。
この予想の背景には、この先ドル安が進むとの読みがある。
通常、ドル相場とドル建てコモディティ価格との間には逆相関の関係があると経験的に知られている。
ところが、過去数か月はドルとコモディティが同時高となっていた。

特に原油は3年ぶり最高値であり、ガンドラック氏は、原油相場の強さを表していると評した。
本来ならコモディティ価格にネガティブなはずのドル高を原油相場が跳ね返したのだ。
そして、今後はドル相場が反転すると予想している。

「ドルは今の水準で上げの材料が尽きる。
トレンドに逆行する上昇が終われば、下がるはずだ。」

足元のドル・インデックスは94程度。
これが95から98未満をピークとして、ドル安に転じるだろうという。
そうすれば年初からアウトパフォームを予想しているコモディティにさらに上げ要因が加わる。
ガンドラック氏は現状約71ドルの原油価格が90ドルまで上昇すると予想している。


この大幅な上昇が7月3%というインフレ予想につながる。
もちろんインフレも原油価格高騰もいいこととは言いがたい。
ガンドラック氏は、原油価格が現状以上に上昇すれば消費者に悪影響が及ぶと指摘している。
そうなれば、物価の番人である中央銀行は、久しぶりに本来的な意味でその職責を果たすことが求められるようになるはずだ。
しかし、FRBが重視するコアCPIはようやく2%をわずかに超えたばかりだ。
総合指数が3%だからといって、FRBがすぐさま手綱をきつく締めるわけではない。
ガンドラック氏は、総合指数が3.5%になれば、FRBがブレーキを一段と踏み込むだろうと予想する。

では、インフレに大きく影響される金利はどうだろう。
FRBがコア指数を重視しようが、現実の社会ではエネルギー・食品まで含めたインフレが進んでいる。
金利はそれを反映して動くだろう。
実際、以前からガンドラック氏が重視していた30年債利回り3.22%の節目が破られそうだ。
今月17日には日中だけでなく終値でも3.25%をつけている。
その後、わずかに低下したが、まだまだ予断を許さない状況だ。

さらに(30年債利回り上昇が)加速するなら、ナラティブ(物語)は
『FRBには制御できなくなった』
となろう。

これは、中央銀行が長期ゾーンの金利へのコントロールを失う時が到来しうるとの見方を示している。
もしもそうなれば、その後の長期金利は実質成長率(あるいは潜在成長率)とインフレ率を意識する展開になろう。
実質成長率3%でインフレ2%なら5%だし、インフレが3%なら6%との連想になる。
長期債におけるこうした利回り上昇が大幅な価格下落を意味することは言うを待たない。

また、ガンドラック氏はビットコインについて従前どおり「投機的心理の先行指標」であり、「他のリスク資産に先行する密告者のようなもの」と話している。


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