ゴールドマン:米長期金利4%までは大丈夫

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米ゴールドマン・サックスが、米長期金利上昇を過度に心配する必要はないと主張している。
上昇ペースが速まったり、4%まで上がったりしない限りは、米国株を押し下げるほどの悪影響はないという。


この四半期の企業業績はすばらしい。
特に、1株あたり利益は23%の伸びだ。
減税の影響を取り除いて税引前利益で見ても、14%の伸びととても強い。

ゴールドマンのDavid Kostin氏がCNBCで、足元の米企業収益の強さを指摘した。
税前でも成長していることは、この強さが減税による一時的なものでない可能性を示唆している。
コスティン氏は、今年・来年とこの増益のしくみが続くだろうと言う。

一方で、米長期金利の上昇が、市場からリスク要因として捉えられている。
10年債利回りはついに3%を超え、3%超が定着しそうにも見える。

米10年債利回り
米10年債利回り

「他のすべての条件が等しいなら、金利上昇は株価下落につながる。
株価は将来永久に受け取る配当の現在価値であり、割引率に対する感度が高い。」


これは、配当割引モデルから自明の理屈だ。
コスティン氏が言いたいのは「他のすべての条件」だ。
他の条件の中で特に重要な企業収益がとても強い。
コスティン氏は《金利上昇 = 株価下落》ではないと説く。
これは、セルサイドの常套句でもある。

では、何が株価の運命を分けるのか。

「金利変化の株価への実際のインパクトは、金利上昇の理由に依存する。
経済活動の活発化が予想されるために金利が上昇するなら、成長期待を押し上げるだけでなく、株式リスク・プレミアムを押し下げる。」

足元の金利上昇の理由を即断することはできない。
しかし、市場がどう考えているかは実質金利と期待インフレを見れば想像がつく。

米10年債(青)・米10年物価連動債(赤)利回りとブレークイーブンインフレ率(緑)
米10年債(青)・米10年物価連動債(赤)利回りとブレークイーブンインフレ率(緑)

期待インフレ(≒ブレークイーブンインフレ率(緑))も上昇しているが、実質金利(≒米10年物価連動債利回り(赤))もかなり上昇している。
特にこの数か月の金利上昇では、実質金利の上昇が大きく効いている。
これはFRB利上げの影響もあろうし、経済がマネーを欲している証左でもあろう。

コスティン氏は、金利上昇を心配しすぎる必要はないとなだめる。
一方で、長期金利が4%になったり、上昇ペースが高まったりすれば、バリュエーション(株価倍率等)悪化を通して株価が下落するだろうという。
それは、コスティン氏にとってはあくまでリスク・シナリオだ。

「バリュエーションが変わらないとすれば、強い企業収益と配当成長がS&P 500指数を2018年末のターゲット2,850まで押し上げるだろう。」


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