ジム・ロジャーズ氏:すばらしい時間がやってくる

ジム・ロジャーズ氏が、最後のひと上げの環境が整いつつあると話した。
景気後退が鮮明になるまで米中貿易摩擦が一時的に後退すると予想されるためだ。

「中国が一歩引いた。
明らかに貿易戦争を望んでいない。
米国も一歩引いた。
(貿易摩擦が)やめば、しばらくすばらしい時間がやってくるだろう。」


ロジャーズ氏がFox Businessで、米中通商協議の一時停止により市場環境が改善したと話した。
同氏は景気サイクル終期の最後のひと上げを予想する1人だ。
最近の政治的・地政学的リスクの高まりが市場の上げを抑えていたが、米中の対立が緩和したように見えることで、再上昇の環境が整いつつある。
とりわけ米中貿易摩擦は世界経済に直結する問題だけに、インパクトの大きなリスクだった。
ロジャーズ氏は「米国と中国が協力すれば世界を席巻できるはずなのに」と話している。

「今年終わりか来年、経済が悪化するまではすべてがいい環境になる。
(経済が悪くなると)トランプ氏は言いだすだろう。
『これはおまえのせいだ。
攻撃する。』」

リスクが解消したわけでない。
あくまで一時停止しただけだ。
米経済が停滞に向かえば、トランプ大統領は再び責任転嫁の相手を探すだろう。
その第1候補は中国になるはずだ。
そうなれば貿易戦争の懸念は再燃し、ただでさえ弱った経済をさらに苦しめることになる。
ロジャーズ氏はそこで「人生最悪の危機」がやってくると言いたいのだろう。

「キッド(金正恩)は3年間、米国と平和条約を結びたがっていた。
オバマが引き、ワシントンの官僚が引いた。
オバマじゃないが、彼の部下たちだ。」


ロジャーズ氏は北朝鮮への強い関心を示す。
もちろん、投資家として、投資のフロンティアに対する関心だ。
しかし、現状、北朝鮮への投資は許されていない。
米国の北朝鮮制裁法に触れるためだ。

「私は自由の国の国民だ。
しかし、北朝鮮への投資は許されていない。
・・・合法となれば、私が初めての(米国人)投資家となろう。」

米朝の融和は中国、北朝鮮、韓国、ロシア等、多くの国が望んでいることだという。
ロジャーズ氏も、北朝鮮への投資の実現のため、融和を望んでいると話す。
このシナリオの唯一のリスクはトランプ政権が台無しにしてしまうことだという。

投資全般については、あいかわらず逆張りのスタンスを崩さない。

「米国株は史上最高値に近く、私はたいして投資していない。
『安く買って高く売れ』だ。
だから私は日本、中国、アジアの株を買っている。」

ジョージ・ソロス氏とともにクォンタム・ファンドで大成功を収めたロジャーズ氏は使い切れない巨万の富を手に入れた。
この使い道を問われると、一部は子供に残したいと答えている。

「全部ではない。
子どもをダメな人間にしたくないからね。」

14歳の娘には仕事をするよう言いつけたという。
友人からは、富豪の14歳の娘に仕事をさせなくても、と言われるという。

「私は、娘が時給8ドルでマクドナルドかなんかで働くと思っていた。
でも、マンダリンの家庭教師で時給25ドルも稼いでいるよ。
娘は私なんかよりはるかに賢いんだ。」

ロジャーズ氏の娘さんは英語・中国語のバイリンガルだ。
ロジャーズ氏自身はマンダリンを話せるのかと聞かれると、いたずらっぽく笑いながら答えた。

「英語でさえかろうじてといったレベルだよ。」


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