ラリー・フィンク:米国株上昇の条件

資産運用の世界最大手BlackRockのCEO、Laurence D. Fink氏が、米金利上昇を予想した。
その上で、米国株市場の先行きを二分法の形で予想している。


イールド・カーブのフラット化が示唆するのは、いまだに記録的な量キャッシュが溢れているということだ。
3.10%の米10年債利回りを独・日の金利と比べれば、外国人が米金利を買うメリットは大きい。

フィンク氏がYahoo Financeのインタビューで話した。
通常は不況の前兆とされるイールド・カーブのフラット化だが、今回は性質が異なるという。
金融政策の正常化を進める米国と未だゼロ金利を続ける日欧の温度差が生み出したフラット化との解釈だ。
1月末からの米市場下落を「破裂」だったと認めながらも、率直に、米国株の強気相場が終わったのかどうかはわからないと話している。
だからといって、経済・市場に強気というわけではない。
フィンク氏はいくつも懸念材料を挙げている。

金利の正常化
フィンク氏によれば、2017年は異常な年だった。
ボラティリティは極度に低く、FRB利上げにもかかわらず中長期金利は上昇しなかった。
それが今年はもう少し正常な動きに戻っている。

インフレの兆し
失業率は3.9%まで下がり、実質賃金上昇の兆候も見え始めた。
減税の代償として、財政悪化による財政インフレへの懸念が高まっている。

米国債需給悪化
財政赤字拡大のために米国債が大量に市場に供給される。
FRBは金融政策正常化を進め、これが米国債需要を減少させる。

デフレを輸出しない中国


もしも中国が言われている改革を進めれば、インフレを連想する。
改革とはすべての国有企業を統合し、供給過剰を削減することを意味するからだ。
必要がなくなって、批判されているダンピングをやらなくなるかもしれない。
結果、中国はデフレの輸出国ではなく、デフレ的でなくインフレ的な国になるかもしれない。

フィンク氏はこれら要因がすべて金利上昇を指し示しているという。
ただし、だからと言って、米国株市場が自動的に下落に向かうとも言い切れないという。
市場には好材料も見られるからだ。

これら説得力のある好材料が先を読みにくくさせている。

M&Aがさかんに行われている点については、減税によるフリー・キャッシュフローの使い道との解釈以外に、景気サイクルの終期を指し示すものと説いている。

通常CEOたちが記録的な量の合併をする時、それは将来の成長への不安を示している。
だから、巨大合併を行うんだ。
・・・すべての過去の例からはM&Aはサイクル初期ではなく終期を示す経済指標だ。

強弱混在する要因を目の当たりに、フィンク氏は株式市場に2つのシナリオを設けている。
アトランタ連銀の第2四半期の成長率予想が4%なのに対し、資本市場は概してそこまで高い成長を予想していない。
このいずれが正しいかによって株式市場の先行きが決まるという。

アトランタ連銀が正しく4%成長が実現
株式市場は上昇する。
税収も増えるなら、財政赤字は管理可能かもしれない。

市場が正しく経済成長が十分に高まらない
株式市場は下落する。
財政問題がより深刻になる。

フィンク氏も資本市場の中心的人物の1人。
後者の方を予想しているようだ。

「税制改革法案が通った時、ホワイトハウス・議会の多くの人が3%超の経済成長を享受する年が続くと言っていた。
だからこそ、私たちは大型減税がやれたんだ。
もしもそうならないなら、18-24か月のうちに問題は深刻化するだろう。」

フィンク氏は現在が重要な分岐点であるという。
足元について恐怖はないし、今年は現状の値幅の中で動くと予想している。
一方、18か月後には今より心配が増しているだろうとも語っている。


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