ジム・ロジャーズ:ロシア国債に強気

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逆張りを好むジム・ロジャーズ氏がロシア国債を買い増した。
米国をはじめとする西側諸国による対ロ制裁発動をチャンスと見たものだ。


「ルーブルは制裁で圧迫されている。
・・・しかし、長期的にはたいして影響を与えないはずだ。」

ロジャーズ氏の西側諸国による対ロ制裁についての見通しをBloombergが伝えている。
ロジャーズ氏のロシア推しは制裁ぐらいでは揺るがない。

そもそも今回の対ロ制裁には歯切れの悪い面がある。
英国での元ロシア工作員毒殺未遂、シリア政府による化学兵器使用、ロシアによる大統領選介入、・・・
ロシアがトランプ政権樹立を狙ったことをトランプ政権が罰するとは珍しく潔い話だ。
英国・シリアの話は、そもそも状況証拠しかない話。
自由主義諸国が確たる根拠もなく起訴・裁判をスキップして刑の執行を行ったようなものだ。
ロシアという悪役を利用して、国内問題から目を逸らさせようという意図がなかったとは言いがたい。

そのため、米国の制裁理由は「さまざまな悪質な行為」とされている。
多くの悪質行為にロシアが直接・間接に関与した可能性は高いだろう。
しかし、「さまざまな悪質な行為」で今の米国から咎められるのもロシアにとっては心外だろう。
そんな本音もあってか、欧州諸国のロシアへの態度は随分異なる。
つい先日も、独メルケル首相と露プーチン大統領が満面の笑顔で握手を交わしていた。
とても、制裁する側、される側の態度ではない。


露10年債利回り(青)と米ドル/ルーブル相場(赤)
露10年債利回り(青)と米ドル/ルーブル相場(赤)

4月初めの制裁発動で、ロシア国債(青、下方が価格下落・利回り上昇)もロシア・ルーブル(赤、上昇が下落)も急落した。
つまり、ロ国債はルーブル建て価格と為替の両方で打撃を受けたのだ。
ここに逆張り投資家が目を付けた。
ロジャーズ氏は5月OFZ(中期の変動利付連邦債)を買い増したという。
勝算は何か。

原油価格は上がっており、状況は改善している。
制裁は永遠には続かず、さほどダメージも与えないだろう。
世界の多くの国々は制裁を気にもかけないはずだ。

世界屈指の産油国であるロシアが原油価格高騰で潤っている。
米国はイランとの核合意まで破棄した。
すでに制裁を科されていたロシアに制裁を強化するのとは話が違う。
制裁を解除されていたイランに再び制裁を科そうという話だ。
原油市場の供給は弱る。
これがロシアを助けるのかもしれない。


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