ダリオ『Principles』アニメ 6/8 ふたつの大きな壁

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Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が8日公開した『Principles』アニメ版のハイライトを紹介する。
今回は全8回の第6回「ふたつの大きな壁」


アリストテレスは悲劇を、人の致命的欠点から生じる悲惨な結果と定義した。
逆に欠点が改められるなら、すばらしい結果につながるはずだ。

人間は、自分の失敗・欠点を認めたがらないものだとダリオ氏は話す。
しかも、それは人間が意図して行うものばかりではなく、なかなか治らない。
ダリオ氏は1982年の大失敗から立ち直る過程で、この試練に立ち向かわなければならなかった。
まずは、自分の目標を確認する作業だ。

「私は人生の岐路に立たされた。
もしも、普通の仕事を選び卒なくやっていく道を選んだなら、今の私とは全く違った人生で終わっていただろう。
しかし、家賃を払い、食べ物を買い、子どもに教育を与えることができる限りにおいて、私の唯一の選択肢は、可能な限り最高の人生を追求するためジャングルを横切るリスクを冒すというものだった。」

大きく生きようという目標は揺るがなかった。
次に問題に立ち向かうことになるが、ここで人間の本能が障壁となって立ちはだかったのだという。

「誰しも直面する2つの大きな壁が立ちはだかっていた: エゴと盲点の壁だ。
これらの壁は、人間の脳の働きにもとづいて存在するものだ。」


まずは個人レベルの問題「エゴの壁」だ。

人間は失敗・欠点に対処するために、まずそれらを知る必要があるが、人間のエゴがそれを邪魔する。
自分の意見を妄信し失敗・欠点を認めたがらない。
しかもそれは無意識の中でも起こる。
これが、有能な人間にも、必要な調査を怠らせ、レベルの低い意思決定を下させてしまう。

「不況が来ると予想した大失敗が、私に間違えることへの健全な恐怖を与えることになった。
言い換えると、私がまさに必要としていた謙虚さを与えたのだ。」

優れているがゆえに自信も大きかったのだろうが、そのダリオ氏が自分も間違えうることを自覚し、素直にそれに対する恐怖心を身に着けたのだ。
しかし、問題はそれだけでは終わらない。
ダリオ氏が求めたのは小さな成功ではなかった。
いかにダリオ氏が優れていても、彼1人で実現できるような成功には限度がある。
ダリオ氏はチームを必要としていた。

次に問題になるのが集団レベルの「盲点の壁」だ。

盲点の壁は、人がすべてを1人で把握していると思い込む時に起こるのだという。
もちろんそんなことはありえない。
把握していないことは評価・対応できないから、その部分が盲点となってしまう。
チーム・プレーでは人により盲点の位置が異なる。
個々人がエゴの壁につかまっていれば、意見の対立も起こる。

「ぶつかり続けるか、変わるかだ。」

変われなければアリストテレスの悲劇から抜け出すことはできない。

レイ・ダリオ『Principles』アニメ版 全8回のポイント
1) 冒険へのいざない  2) 現実を受け入れ対処せよ  3) 5段階プロセス  4) 奈落の底  5) すべては機械  6) ふたつの大きな壁  7) 徹底的に開かれた心  8) もがけ

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