ダリオ『Principles』アニメ 5/8 すべては機械

Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が8日公開した『Principles』アニメ版のハイライトを紹介する。
今回は全8回の第5回「すべては機械」


ビッグバンの時、宇宙のすべての法則と力は生み出され放たれた。
永久機関のように互いに作用しながら、破片は融合し、しばらく機械として機能する。
バラバラになっては、また新たな機械となる。
これが永遠に続く。

ダリオ氏の大失敗はあまりにも大きな失敗だった。
そこで、ダリオ氏はしばらく足をとめ、プリンシプル通り「反省」に努めることにした。
失敗を反省し、状況を反省し、そして自然を見回したという。

こうした表現が、ダリオ氏やブリッジウォーターを神秘主義とか新興宗教とか揶揄する人を生んでいる。
しかし、本人にそんなつもりは毛頭ない。
ダリオ氏が宇宙や機械を持ち出すのは、世の中の物事にはあまねく仕組みと法則性があるということを知らせたいためだ。
こうした徹底した考え方について、本人は「自分とその状況を大局から見る助けになった」と回想している。

ダリオ氏の考えはアーサー・ケストラーが『機械の中の幽霊』で主張したホロンの考え方を連想させる。
個々のホロンが機械であり、そこには仕組みと法則がある。
そのホロンがいくつか集まって1つのホロンを形成し、それがまたいくつか集まって1つのホロンを形成する。
個々でも全体でも、機械には仕組みと法則が存在する。

もちろん経済や市場もダリオ氏にとっては機械だ。
そして、ダリオ氏本人もその中の小さな機械なのだ。
機械だから同じこと・似たことを繰り返す。
短期サイクルは比較的単純な機械の振る舞いだから予想しやすい。
長期サイクルはめったに起こらないイベントを含み、それに皆は驚く。

「ほとんどの人は誤って、こうした状況を一回きりのことと考えてしまい、乗り切るための大局観・プリンシプルズなしに扱ってしまう。」


しかし、長期サイクルに数回しか現れないイベントでも、実はそれら背景には共通した仕組み・法則が隠れているのだ。
これを理解しない人たちには何が起こるのだろう。

ほとんどの人が未来は現在を少し変えたものになると予想していることを私は知った。
しかし、典型的には、未来は大いに異なる。
人々は最近の歴史に影響を受けやすく、長い間、あるいは人生で遭遇しなかったイベントを見過ごしてしまうのだ。
しかし、そうしたイベントは再び起こる。

これを発見した時、ダリオ氏は自分の大失敗の原因を見いだした。
1982年ダリオ氏は大恐慌の再来を予想して破綻した。
歴史の仕組み・法則をつぶさに観察すれば、事前に間違いとわかったはずだったのに、自分は怠ったのだと。

ダリオ氏は昨年、世界で台頭するポピュリズムに関するレポートを公表した。
その上で、現在が戦前の1937年に似ていると指摘した。
まさに、歴史の仕組み・法則をつぶさに観察しようという営みだった。

さらにダリオ氏は、リスクテイクとその報酬についても考えを巡らしている。

リスクと報酬のバランスをとるという試練について考え、私はリスク・報酬が当然のこととして同時に存在することを理解した。

だから私たちは高リスク・高報酬のエキサイティングな人生か、低リスク・低報酬の退屈な人生を選択しなければならない。
ポートフォリオも同じこと。
全体としてどれだけのリスクをとるかを選択し、それに応じて資産クラスごとの構成比を設定することになる。
リスクをとらずして報酬だけを得ようとは思わない。
ダリオ氏のオールウェザー・ファンドなどにはそうした精神が通っている。

レイ・ダリオ『Principles』アニメ版 全8回のポイント
1) 冒険へのいざない  2) 現実を受け入れ対処せよ  3) 5段階プロセス  4) 奈落の底  5) すべては機械  6) ふたつの大きな壁  7) 徹底的に開かれた心  8) もがけ

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