エラリアン:不況に陥らないために必要な3つの変化

一時はFRB副議長との声も上がった独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏だが、すっかり立ち消えになったようだ。
そのエラリアン氏が、先月の混乱から平静を取り戻した市場について、気が早いと注釈をおいた上で予備診断している。


困難はあるだろうが、今のところ必要とされる3つの変化すべてがうまく実現するのは65-35ぐらいの確率だ。

エラリアン氏がBloombergに書いている。
ここで言う「3つの変化」とは

  • 世界中での成長志向の構造改革のさらなる進展。
  • いくつかの先進国でのよりバランスのとれた需要管理
  • 欧州における地域経済設計のさらなる強化。

を指している。
エラリアン氏はこの3つの変化を、非伝統的金融政策への過度の依存を解消し、力強く幅広い経済成長のための別のドライバーを取り戻すこと、と説明している。

とりあえず鎮静化したかに見える市場

エラリアン氏は、先月の市場混乱について5つの観点から鎮静化したかどうか吟味している。


  • ボラティリティ: 昨年ほどではないが低位に戻ってきた。
  • 米10年債利回り: 上昇がやみレンジ相場に。
  • 米独金利差: 拡大せず。
  • リスク資産と無リスク資産の相関: 負の相関に戻りつつある。
  • ドル相場: 過去数週間レンジ相場に。

これら指標はいずれも市場が落ち着きを取り戻したと示唆しているように見える。
エラリアン氏は、新たに不安材料が出てきているものの、プラス要因も力強いと指摘する。

  • 米経済: 力強さが続く。
  • 米雇用: 良好だが、需要・供給ともに頭打ち。つまり、ゴルディロックス。
  • 関税: カナダ・メキシコの条件付き除外は貿易戦争が回避される兆し。

状況は悲観するようなものでもない。
そこで、この先の出来は上述の3つの変化が実現できるかにかかっているというわけだ。
ゴルディロックスにとどまるか、循環的下り坂に向かうのか、である。

もしもやり損ねると、世界経済は金融危機の後遺症のNew Normalに回帰しないだろう。
かわりに、循環的不況、不安定な金融ボラティリティ、世界貿易の緊張増大、国家・地域の両レベルでの政治の複雑化の餌食となってしまうだろう。


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