UBS:相場を左右するのはFRBでなくトランプ

米長期金利上昇はいったん踊り場に行き着いた感があるが、今では金利低下予想をする人も少なくなった。
その中でUBS Asset Managementが短期的にだが金利低下=債券上昇の予想をしている。


金融市場にとっての最大のリスクはFRBの引き締めでも中国の減速でもなく、米国によって生み出された貿易戦争の可能性だ。
市場は、貿易の緊張関係について準備ができていない。

UBS Asset ManagementのKevin Zhao氏が現状2.9%程度の米長期金利について今後3か月で2.5%程度まで下落すると予想しているとBloombergが伝えている。
Zhao氏は昨年9月以来、債券について弱気予想(金利上昇予想)をしていたので、短期のホライズンで言うとスタンス変更となる。
トランプ政権による鉄鋼・アルミ関税導入が市場のリスク・オフを強めると読んでの変更だ。
市場がリスクに敏感になれば、米国債が買われ債券価格上昇・利回り低下につながる。

一方、もう少し長いホライズンでは、Zhao氏はいまだ債券に弱気だ。
トランプ政権の保護貿易のブラフがいつもの通りこけおどしで終わるとの観測だ。
年後半には、経済成長とインフレにより長期金利が3.75%程度まで上昇すると予想し、米国債をショートするつもりだと言う。
Zhao氏は今年3回のFF金利引き上げを予想している。


米10年債(青)・2年債(赤)利回りと実効FF金利(緑)
米10年債(青)・2年債(赤)利回りと実効FF金利

最近ビル・グロス氏やバークレイズ・キャピタルは、条件付きながらも、関税が金利上昇要因になると発信している。
(あくまで、本当に関税が導入された場合の話である。)
Zhao氏の場合、関税導入の影響が極めて小さい、あるいは、ないと見込んでいるのだろう。

「投資家はFRBで頭がいっぱいになりすぎている。
昨年金融市場をパニックに陥れた材料を思い出せば、みんなホワイトハウスにいる人物から来ていることがわかる。
わが社の取引のほとんどは、トランプの行動へのエクスポージャーを回避するためのものだ。」


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