河野龍太郎氏:ブラックマンデー型なら幸い

BNPパリバの河野龍太郎氏が、現在の米経済をバブルと示唆し、その終わり方を占っている。
米経済が変調すれば、日本は円高と雇用悪化に苦しむことになると予想している。


米国経済に関する筆者の仮説は、もはやバブルを醸成することでしか、完全雇用に達することはできない、というものである。

河野氏がReutersへの寄稿で書いている。
確かに前回・前々回の米景気拡大局面ではいずれもバブルに至り、バブルであるがゆえに崩壊している。
2000年のドットコム・バブルと2007年の住宅バブル(サブプライム/リーマン危機)である。
足元で米経済は完全雇用に近いと言われているから、河野氏は現在の状態をバブルだと考えているわけだ。
そして、バブルであるならタイミングは別として早晩弾けることになる。

主役不在のバブル

ただし、今回のバブルに特徴的なことは、主役がはっきりしないことだ。
非伝統的金融政策によって資産価格が幅広く押し上げられてしまったがゆえに、バブルの目玉となるドットコム株や住宅などの資産クラスが見当たらない。
そこでいろいろな人が全部バブルだとか、根っこに近いところにある債券バブルだとか呼んでいる。


一方で、共通点もある。
河野氏によればそれは、経常黒字国=資本輸出国が必然的に経常赤字国=資本輸入国に投資することから生じる、米ドル建てAAA格資産に対する需要である。
貿易の不均衡が放置される限り、この需要は何度でも高まり、バブルを形成しかねない。
先進国で言えば、ドイツも日本も依然として輸出立国の姿勢を引きずっており、その点ではバブル醸成の共犯者の1人と言えよう。

ブラックマンデー型ならラッキー

ともあれ、現状をバブルと見るなら、その終わり方はどうなるのだろう。

「実物経済において大きな過剰が発生していないとすれば、今後、株価の大幅な調整が訪れても不況は何とか回避され、1987年10月のブラックマンデー型にとどまると考える人も少なくないだろう。」

ブラック・マンデーでは、株価こそ大きく急落したものの、その後の金融緩和が功を奏し、米株価は速やかに回復、米経済への影響は小さくて済んだ。
現在、米経済に大きな過剰・過熱が見られていないことから、河野氏も「ブラックマンデー型をたどる可能性は排除しない」としている。
興味深いのは、その場合の後日談となるべき部分だ。

(次ページ: バブル継続のシナリオ)


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