グリーンスパン:財政赤字がスタグフレーションを生む

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アラン・グリーンスパン元FRB議長が債券バブル、スタグフレーション、生産性について語った。
米経済の本当の問題は金融政策ではなく財政悪化であると言う。


債券市場のバブルは今、巻き戻し始めており、最終的にはスタグフレーションの状態をもたらす。
その先に何が起こるかは予想が難しい。
過去数十年では経験したことのない変数が多すぎて、経済予想が難しくなっている。

グリーンスパン氏はCNBCで従来からの債券バブルとの見方を継続した。
バブルと断言する以上、将来の債券価格下落が予想されている。
グリーンスパン氏は債券市場の局面が変化し、長期金利上昇が進んでいると指摘した。

「株式市場の株価利益倍率(株価÷利益)ではなく利益株価倍率(利益÷株価=益回り)の構造を見ればわかるはずだ。
近年の上昇の中で生じた重大な問題は主に実質長期金利の低下であり、それが市場に織り込まれている。」


つまり、異例の低金利が株価に織り込まれており、この低金利が低金利でなくなれば株価もそれに応じて変化せざるをえないということだ。

グリーンスパン氏によれば、本当の問題は「なるようになる金融政策」ではなく、財政悪化であるという。
財政赤字は必ずマネー・サプライ増加や物価上昇を加速させ、インフレからスタグフレーションに悪化させると予想する。
それでも、スタグフレーションは停滞よりはましだと言う。
利益率のように増えることが望ましい数字が(名目ベースで)増えるからだ。

財政悪化をもたらすであろうトランプ減税については、マイナスばかりではないとも付言している。
アイルランドの減税を例に挙げ、法人税率の大幅引き下げが短期的な生産性向上に結び付く場合があると主張した。
しかし、だからと言って、それが抜本的な問題解決であるわけではないという。

「長期的には年金問題には抗しきれない。
高齢化が進み、年金支給が増加し、生産性の先行きも怪しくなる。」

グリーンスパン氏の一番の心配は生産性が改善しにくい中での財政悪化なのだ。
トランプ減税でも短期的にはプラス効果が現れているが、長期的な効果は別と指摘している。

「限界的には(設備投資は)例外的に高くなるだろう。
短期的には資本財市場は大丈夫だろうが、長期的な生産性は減少するだろう。」


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