投資

佐々木融氏:株・為替・金利に関する3つの謎

Q2. リスク・オンなのに円高

円は低金利であるがゆえに調達通貨となってきた。
結果、リスク・オンの円安、リスク・オフの円高という連想が続いてきたが、これも崩れてきている。
佐々木氏はこれについて2つの仮説を述べている:


  • 投機的な円売りが損切りしている可能性。
    「ドル円相場が昨年のレンジの下限に近づいたところでドル安トレンドが再開してしまった」
  • 2月半ばから3月半ばは季節的に円高になる傾向(ただし今回はやや早い)。

Q3. 日米金利差拡大でも円高ドル安

金利パリティの連想から、市場には日米金利差拡大がドル高に直結するとの想定は多い。
これが崩れているのはなぜか。
佐々木氏は1つの仮説を挙げる:

  • 投資家が米国債を売り、手にしたドルを売った可能性。

日本の投資家の間にも米国債を売った投資家はあったろう。
米長期金利の上昇を受け、金融庁は地方銀行の外債保有状況をヒアリングしている。
結果、調査対象の全行が含み損を抱えていたとReutersが伝えている。
米ドル金利が上昇局面に入った可能性が高いなら、米国債を売るのは当然のこと。
さらに、ドル安となれば拍車がかかる。
米国債・米ドルの両方の持ち高を減らしておきたいと考えるはずだ。

佐々木氏は短期的なドル円の見通しを2段階で予想している。

現時点でポジションが全て手じまわれたとは思えない。
また、季節的にはむしろこれから円高圧力が強まりやすい可能性もある。
従って、円高方向への動きが終了したと考えるのは少し早過ぎるかもしれない。

しかし、これはポジション調整の話であって、本質的なファンダメンタルズの話ではない。
ポジション調整が済めば、次にはより本質的な要因が効いている。

「世界経済は引き続き堅調であり、季節的なフロー、ポジションの手じまい以外で円が強くなる要因もあまりないため、3月半ば以降、ないしは4月以降には円が反落し、ドル円相場も110―112円台に戻るのではないかと考えている。 」

円高予想の印象が強い佐々木氏が小幅とは言え円安を予想するのだから、当たるのではないかと思いたくなる。
ただし、110-112円という予想は(絶対的には円安でも)相対的にはたいした円安でもないだろう。
それでも、輸出産業の短期的な為替損発生は食い止められることになる。


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